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2024/07/03
レデックス五藤先生の発達の困りごとコラム
みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!
今回はYouTubeのレデックスチャンネルの中で『発達の困りとは?|(2) 限局性学習症/学習障害とは…?【発達障害/神経発達症/学習障害/LD/限局性学習症】』として、教育や学習支援をデジタルコンテンツで支えるレデックス認知研究所所長であり、レデックス株式会社の代表取締役 五藤博義様にわかりやすく解説いただきましたので、その内容をご紹介します。
LDや学習障害という言葉を聞いたことがあると思います。
Leaning Disability
Learning Disorder
の頭文字をとってLDとしていますが、教育的な立場でのLDの定義と医学的な立場でのLDの定義は若干異なります。
DSM-5の診断基準では “限局性” という言葉がつき、「限局性学習症(SLD)」となりました。
学習障害 → 限局性学習症
Specific Learning Disorder(SLD)
「勉強ができない」と考えられることとは?
知的な遅れが原因 | ⇒ | ・全ての教科で定着や理解に時間がかかる ・学習以外にも課題がある (コミュニケーションや生活面) |
やる気が出ない向き合えない | ⇒ |
・勉強に対する無気力 |
「読む」「書く」ができない | ⇒ | ・知的な遅れがなく「読む」「書く」等の特定のスキルが困難 (知能検査で知的水準は平均域以上) ・読み上げ等の異なる方法では内容を理解できる (聞けばわかる) → 極限性学習症の可能性 |
【限局性学習症/学習障害の誤解】
勉強できない・しない = 限局性学習症/学習障害
勉強ができないからといって限局性学習症/学習障害ではありません。
医学的な立場での限局性学習症/学習障害
・読むことが困難
・書くことが困難
・数や計算、数学的推論が困難
※読みの障害には書きの障害を伴うことがほとんどのため、「読み書き障害」と言います。
これに加えて、日常生活や職業生活に困りがあることや、その困難な状態が一定期間持続することで診断されます。
日本の学校制度では、「読み」「書き」に加えて、「聞く」「話す」も含まれた形で学習障害とされています。
医学的な立場では「読む」「書く」「算数」の3領域ですが、教育では6領域あり、広義のLDを指す場合に、教育用語としてよく用いられます。
読み書きは就学してからの困りごとになりますが、就学前なら、次の特徴があります。
【読み】の特徴
いくつかタイプがありますが、一つ一つの文字から、その音を想起するのに時間がかかる子がいます。また形を捉えるのに時間がかかる子もいます。
読みを評価する際には、正確さと流暢さ(スムーズさ)を測る必要があります。
【書き】の特徴
文字の形を想起することに時間がかかります。形を捉えることが苦手なので、模写であっても上手く書けないといった特徴があります。
また、発達性協調運動症(DCD)といった運動面の不器用さを持つ子や、ADHDのように注意や衝動性に課題のある子も「書く」ことに苦手が生じます。
【算数障害】の特徴
・数字の形が捉えにくい
・数量の処理が難しい
・順番や量(数概念)の理解が難しい。
※ まだわかっていないことも多くあります。
参考:「算数障害とはなにか」,LD学会(2020)
限局性学習症/学習障害の子は、知的な遅れを伴わないため、特別支援学校や特別支援学級で支援するケースは少なく、「通級指導教室」を利用して支援を受けることができます。
「通級指導教室」は、通常のクラスに在籍しながら、読み書きや算数といった学習に必要なスキルの習得を個別にサポートします。
※ 通級指導教室がない地域もあります。
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課企画調査係(令和5年3月9日)「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議」配布資料 「基礎資料集」P6より
限局性学習症/学習障害の人は、「読み」「書き」が苦手ですが、他の能力がそれを補うために優れていることがあります。
【限局性学習症で活躍している有名な人】
・俳優のトム・クルーズさん
字は読めなくても、台本を人に読んでもらい、セリフを覚える努力をしているようです。
・建築家のアントニオ・ガウディさん
2次元的(平面)なことが理解できなくても、3次元(立体)には並々ならぬ力を発揮するケースが多いようです。
※ 診断は時代により変化するため、ご本人の特性や傾向から推測しています。
学習障害は、「限局性学習症」という診断名になりました。
読むことと書くことが困難な「読み書き障害」、書くことが困難な「書き障害」、数や計算や数学的推論が困難な「算数障害」がありますが、勉強ができないからといって学習障害ではありません。
学校教育では、知的な遅れがないので通常学級に所属しますが、通級指導教室などを利用することで、読み書き、あるいは算数におけるスキルの獲得のサポートを受けることができます。
限局性学習症の人は「読み」「書き」が苦手ですが、他の能力がそれを補うために優れていることがあります。
※ レデックスチャンネルでは、医学用語や学術用語等の専門用語として「障害」を漢字表記に統一しています。
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レデックス認知研究所 代表・レデックス株式会社代表取締役 五藤 博義(ごとう ひろよし)
■講師プロフィール
東京大学教育学部卒業、ベネッセ等で30年以上教育の研究開発に従事。川崎市の小中学校教師との作文教材の研究で松下教育研究財団森戸賞を受賞。
埼玉県特別支援教育研究会での研修、東京都中央区での教員研修など、 年間10数回、発達障害に関する講演、セミナーを担当している。
■レデックス株式会社
LEDEX株式会社は、「Learn=学ぶ」「Design=デザインする」「Experiment=試してみる、やってみる」の頭文字【LEDEX】が社名。「学び、デザインし、試してみる」そんなこども達を応援している会社です。
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