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【後編】精神科訪問看護は子どもの療育のため。親を診て保護者をケア【株式会社Ystyle様】

2023/11/21

放課後等デイサービス事例インタビュー

【後編】精神科訪問看護は子どもの療育のため。親を診て保護者をケア【株式会社Ystyle様】

愛知県で放課後等デイサービスを運営する株式会社Ystyle様にお話を伺いました。

株式会社Ystyle様の𠮷川様は、児童発達支援『Yくまーず未来にて児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援の多機能型事業所のほか、相談支援事業所やグループホームや就労支援B型事業所を運営。さらには精神科訪問看護事業も立ち上げられました。

幅広い活動の経緯やご苦労、今度の目標について詳しくお話を聞くことができました。

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>> 【前編】最終目的地である就労の悩みを僕は解決できる

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訪問看護の際は保護者に会いに行きます

インタビュアー(以下:イ)今後の目標などをお伺いしてもいいですか?

𠮷川様(以下:𠮷川)訪問看護を広めていくことです。
子どもを中心とした訪問看護で、家庭や家族を連携した訪問看護は、おそらく全国でうちだけです。

家族の支援や連携は難しい。その中で療育を進めていくことにも限界がある。

そこでどうしたらいいのか。学校なら保育所等訪問支援があります。専門職の者が学校に行って、学校の様子を確認して指導したり、学校の先生と一緒に支援したりします。だから学校との連携はできます。

では、家庭はどうでしょうか。
家庭はなかなか難しい。送迎の際に保護者と話しても話を流されることもある。家庭に踏み込むためにはどうしたらいいのか、悩みに悩み、家庭に入り込むことができることを探した結果です。

相談支援員、県や市の担当者さんも頑張っていらっしゃいますが、家庭の奥までなかなか入ることができないからです。

精神科訪問看護です。子どもの療育のために親を診て、保護者のケアをします。これが訪問看護として成り立ちます。ほとんど知られていないのですが、国も推奨しています。

訪問看護の際は保護者に会いに行きます。
特にお母さんの心のケアができれば、子どもに手を出さなくて済みます。

例えば、家庭で虐待やネグレクト。それに、子どもの発達障がいからお母さんは精神を病みやすい。そんなお母さんたちを「いかにケアして予防するか」が重要なんです。

社員たちと同じです。社員を笑顔にすれば子どもは笑顔になる。だから「お母さんの笑顔を作り出す」ことに必要なのが訪問看護なんです。

在宅医療チームと連携

イ)失礼ながら、療育からの訪問看護は、理解に繋がらずにいました。

𠮷川)我々の取り組みは療育からスタートして問題点を見つけ、訪問看護に繋げていきます。

一般の訪問看護は、医療と訪問看護の連携ですが、弊社はそこに療育を入れ込んだ形になります。

よって、われわれの取り組みは療育から始まり、医療、訪問看護に繋げる三位一体で頑張っています。

当然、医師との連携は必須になります。しかし、一般病院の医師は忙しく、我々と連携して診てくれるのは難しいので、専属の医療チームと組むことにしました。おかげさまでスムーズな運営を行うことができるようになりました。

22人の医師が在籍している医療チームです。
そこと連携することで、困っている家庭に医師が入り込み、診断してもらいます。そして訪問看護が始まります。

さらに医療チームは24時間医療体制を取っているので、夜中に「子どもがひきつけを起こしました!」と緊急相談したり、悩みも聞いてもらえます。

イ)子どもを中心に関わるすべての人をケアしていくわけですね。

𠮷川)訪問看護を立ち上げて申請して、認可が無事に下りてスタートしたわけですが、今、依頼が殺到しています。
全国でどこにもない連携ですし、医療チームとして24時間の医療体制を提供しています。

【後編】精神科訪問看護は子どもの療育のため。親を診て保護者をケア【株式会社Ystyle様】

療育から入った目線で気が付いた保護者の支援

𠮷川)お母さんの悩みを、看護師が週に2~3回聞いています。常に悩み相談ですね。お母さんの気持ちが高ぶれば子どもに影響します。

そこで、看護師が外に連れ出してコーヒーでも飲みながら話を聞けば、落ち着いて子どもに向き合えます。

看護師なのでいろいろな話を聞けるじゃないですか。ただの世間話をするわけではなく、精神科の訪問看護は作業療法士のようにアドバイスができるんですね。
例えば、「そんなときは、こんな運動をしてください。」とか言えます。

それに保育士ではなく、看護師にしか話さないこともあるんですね。
若い児童指導員に対して「分かるはずがない」と相手にしないお母さんもいるわけです。ベテランの看護師だと態度が違います。

医療から入るとわからなかったことを、療育から入った看護の目線があるから気が付いたわけです。

イ)子どもの支援にもなるので保護者の支援をするわけですね。

𠮷川)子どもだけ支援しても、逆戻りもありますから。
安城の教育長と話したとき、「学校の家庭訪問がなくなって“家庭”と“学校”の連携がなくなってしまった。」とおっしゃっていました。

発達障がいのお子さんは、学校を休みがちだけど家で何が行われているかわからないとも。
でも、訪問看護が入れば家庭の状況が分かります。
「なんで子どもが学校に行かないのか?休むのか?」も見えてきます。

例えば、「虐待の可能性がある」など報告ができれば防波堤になれます。

午前中、訪問看護で看護師がお母さんと話しをするとします。
もし、お母さんが苛立っていれば、子どもも苛立っていることがわかるので、「夕方、子どもの調子が悪いかもしれない」と施設に連絡することができます。

それが分かるのは、普段のお母さんたちを診ているからこそであり、連携しているからなんですね。

訪問看護は施設に関係なく、子どもが苦しんでいる家に入る

𠮷川)相談支援専門員さんからの依頼もあります。
普通は門前払いでも、医者と看護師がいるから家に入り込んで話が聞けるので、診断が下せて支援につなげることができます。

薬も処方してもらえ、薬を届けることができます。精神障がいの保護者がいる場合、保護者が病院に行きたがらないので、病院に行きたくても行けない子どもがいます。

そこに医者が来てくれるわけです。訪問看護をすることで、子どもの病気にも対応できます。

現在、訪問看護は満員状態です。
相談支援員さんに「ご支援くださいませんか?」と依頼されるので、僕らは施設に関係なく子どもが苦しんでいる家に入ります。

最終的には医者の力も必要なので、医療機関をめぐって連携しましたが、どこの事業所の保護者さんも悩んでいる方は多いので、訪問看護が介入できれば、話しを聞くことができます。
根本を解決することで療育につなげるわけです。

イ)保護者の方も孤独なんですね。
スケールの大きなことですが、必要なことですね。

子どもたちを取り巻く環境のトータルケア

𠮷川)この業界は家庭連携加算などもありますが、それだと月に1回数時間話をするだけです。
これは良い試みですが、全然時間が足りないですね。

核家族化した時代だからこそ、“家”と連携することが大事なんです。
難しいことで、なかなか医療と連携できません。面倒なので医者が拒否してしまいます。うちは連携できましたが、この訪問看護は全国展開するべきですね。

イ)子どもたちを取り巻く環境のトータルケアですね。

𠮷川)知ってしまった以上、やらなければならない。
うちに来てもらって、
「訪問看護を受けながら療育を受け、成長し、最終的には就職し、社会で自立する」それを支援したい。そんな想いです。

【後編】精神科訪問看護は子どもの療育のため。親を診て保護者をケア【株式会社Ystyle様】

企業を巻き込んでいくことは大切なこと

イ)2年で15事業所に成長することは驚きでしたが、お話を聞けば聞くほど納得できました。

𠮷川)今度、春日井に3店舗目ができます。夏祭りを合同で行うとなると場所や駐車場が足りないので、普通は公民館などを借りると思います。

僕は企業とコラボしたいので、春日井で春にカフェテリアをオープンした企業さんがいます。カフェテリアの前には大きな芝生公園がある素敵なところです。
そこで、「休日に福祉と連携して施設を貸してください。」とお願いしました。

土曜日に準備して日曜日に夏祭りを開催しました。
従業員は25人出勤してくれて、子どもたちは土曜日の利用を日曜日に振替えたので、子どもたちも含めて150人が参加してくれました。
さらにはその企業の家族も夏祭りに参加してくれて、会社としても盛り上げてくれました。

企業と連携したことで駐車場も広く、夏祭りの大イベントになりましたが、もちろん使用料は取られていませんし、協賛金もいただいたくらいです。

企業さんからは、「来年も使っていいよ。」「クリスマスにも使ってよ。」となるわけです。
これも日曜日でも喜んで働き、楽しんでいる従業員がいるからです。土曜日から一生懸命準備して仕込み、日曜日に各施設が連携して挑んでくれたからです。

地域と連携していることは保護者の方にしても安心するので、企業を巻き込んでいくことは大切なことなんです。
それに、ここでも企業とコラボが発生していますから、将来子どもたちを受け入れて欲しいとお願いできるわけです。

イ)もともとの旅行業で企業様と関わってきたからの強みですね。

𠮷川)いい成功例です。企業側と子どもたちがふれあうことで、社長さんたちにも障がいを理解してもらえました。

障がい者雇用で無理矢理に雇入れている企業もあるじゃないですか。ちがいます。「ちゃんと戦力になりますよ。」とお伝えすることができます。

家族とも連携できるし、うちが企業と連携しているところを保護者の方にも見ていただける。
社員も、大きな企業さんとも連携できるんだと誇りと言うか自信につながります。

イ)いいですね。いかに広がっていけるかですね。

𠮷川)常に変化を追いかけていきたいですね。社員たちを「あっ!」と言わせたい。

みなさんの協力があって、助けてもらって、うちで生かされている。
三河地方で上手く行きましたから、次はどこの企業とコラボできるか楽しみです。

イ)子どもたちだけでなく、社員や保護者の方をケアして、周りを巻き込んでとスケールの大きなお話ですね。

いろいろな可能性で道を広げていくのは大事なこと。それは放デイとしてだけでなく、子どもたちの将来を広げていくことになりますね。
今回はとてもいいお話をありがとうございました。


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さいごに

弊社が提供している「HUG」は放課後等デイサービス運営会社が開発したソフトウェアです。

請求業務はもちろん、個別支援計画やサービス提供記録の作成から管理も簡単に行えます。
実際にHUGをご利用いただいている放課後等デイサービス事業者様の感想をご紹介していますので、請求ソフトや管理システムの導入を検討されている方はご参考くださいませ。

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