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2023/09/06
放課後等デイサービス事例インタビュー
愛知県あま市で児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する社会福祉法人 福寿会様にお話を伺いました。
社会福祉法人福寿会様は幼保連携型認定こども園を運営されていますが、2023年3月に児童発達支援『ひかりの芽』を開所されました。
児童発達支援を立ち上げた経緯や児童発達支援の必要性を理事長の竹腰様からお話を伺うとともに、児童発達支援管理責任者の中島様からもお話を聞くことができました。
インタビュアー(以下:イ)まずは施設について教えてください。
中島様(以下:中島)最初は平成20年4月1日に七宝幼稚園の姉妹園の『七宝ひかり保育園』として誕生しました。平成26年6月1日より名称変更して『ひかり保育園』に。平成29年4月より幼保連携型認定こども園『ひかりこどもえん』となりました。
そしてこの春(令和5年3月)、こども園の隣に児童発達支援『ひかりの芽』を開所しました。
イ)中島様の業務について教えてください。
中島)児童発達支援管理責任者です。
イ)竹腰様は理事長でいらっしゃいますが、療育にも参加されていますか?
竹腰様(以下:竹腰)こども園の園長をしています。体操などを教えて子どもと関わる時間はありますが、『ひかりの芽』の療育には参加していません。理事長としてすべての施設運営をしています。
イ)こども園を運営されている中で児童発達支援を始められた経緯を教えてください。
中島)こども園の中で集団生活についていけない、集団生活自体が苦手な子がいます。
そんな子がクラスから離れられる場所は限られ、職員室など大人が仕事をしている場所の片隅で、少し落ち着く時間を作っていました。
空いている部屋があれば、個別の時間を作ることもできますが、それはそれで子どもにとって安心できる場所が定まっていないことでもあります。
担任も補助の先生も、その子のことも考えたいけど、集団全体のことを考えなければなりませんから、集団に入れない子が、どこかに行きたくなっても1人担任では難しい現状がありました。
園長もそれを目の当たりにしていましたし、職員の中でも声がありました。児童発達支援に直接繋がってはいませんでしたが、「子どもたちが落ち着ける場所、安心できる場所を作ってあげたい」という想いと、担任の気持ちを分かち合える人が増えたらという想いです。
担任がいっぱいいっぱいになると、癇癪を起こしてしまう子に対して、否定的な言葉かけをしてしまう時もあり、すごく後悔してしまいます。そして、気分が落ち込んだまま、次の日を迎えなきゃいけないんです。
子どものためはもちろんですが、先生方の悩みも大きかったので、そこもケアできるように考えた結果です。
イ)施設としての特徴はいかがでしょうか?
中島)一般的に児童発達支援は、幼稚園や保育園との連携が難しいところがあると思いますが、ここ『ひかりの芽』には、こども園に通っている子と姉妹園に通っている子が主に来ています。
保育士は、今まで知らなかった園以外の子どもの時間を知ることができます。姉妹園がある児童発達支援だからこその強みで、園との連携がしっかりしています。
保護者とだけでなく、お互いの施設の保育士同士も連絡帳で毎日情報を共有していて、気になったことや出来たこと出来なかったことを伝えています。
また、月に1回ほど保育士同士も会っています。
カリキュラムは、言語訓練が月曜日。リトミックが木曜日にあります。
こども園は約30対1の集団になるのに対し、こちらでは少人数で行うようにしています。
言語訓練は1 対1ではなく、子ども複数に対して私たちも複数人なので、やりたくない時に、「必ず参加しなくちゃいけない」ような環境ではなく、やりたくない時は違う部屋で過ごせるようにしています。
専門の先生をお招きしている日が週に2日あり、それも強みなのか、保護者の方にも好評です。
イ)こども園と施設が目と鼻の先で、先生方もお互いの活動の様子が分かるし、保護者も安心してもらえますね。併設している「ひかりっこ園」は主に職員の方のお子様を預かる施設ですか?
竹腰)企業主導型保育事業の保育園です。色々な働き方の提案を法人としてしています。
女性には様々な働き方があり、保育園の保育士が少なくなってきている。子どもを育てることに強い願いがある人は、正規からパートさんとか就労形態を変えられることもあるんです。それももちろんいいことです。でも、働きながら自分の子どもが見れるって、これほど安心なことないですよね。
人間関係など環境がいいのもあるんですが、「安心感の上で保育ができて、違うところに子どもを迎えに行くこともない環境で働ける」
みんなが輝ける環境なんです。なので保護者スタッフがすごく多いんです。
スタッフが自分の子どもを預けます。そうすると当然、透明度も高くなります。虐待、不適切言動、拘束みたいな不適切保育は絶対に起きないですよ。
チーム全体で保育園だから、児童発達支援だからとか企業主導だからじゃなくて、「子どもたちのために」の集団ができるのはすごくいいですよね。
イ)HUGを知った経緯などは何でしたか?
中島)児童発達支援所を“開所する”となってゼロから色々調べ始めた時に、育つ力の織田先生と園長が知り合いだったので、HUGというものがあると教えていただきました。
竹腰)織田先生は保育園の青年部の時に仲間だったんですよ。導入する時も見学に行かせてもらいました。
保育園業界で困りごとがある子たちを、職員室で個別では見てあげられるけど、その子に対して“個別で見る”とどうしても“全体”の職員体制が足りなくなる。
「本当は違う集団活動をこの子にもさせてあげたいのにできない」というジレンマがずっとあり、児童発達支援に繋がったんです。
ココトモへも見学に行かせてもらいましたが、こども園を運営する側からすると、事業体としてもっと予算をかけ、子どもたちにより良い環境を提供できると思ったんですよ。是非、児童発達支援をやりたいと思いましたね。
イ)HUGを導入してよかったことはありますか?
中島)機能がたくさんあって、最初はその多さにすごく大変だった部分もありますが、最初から全部は使いきれないので、まずは何をしたいのかポイントを絞りました。
まずは記録も写真も保護者に送れること。
全体での公開ではなく、個別で写真を送ると保護者の方もすごく安心されるのでいいですね。
そして、請求が全部できること。
請求のわからないことを電話で聞くと、教えてくださるので本当に助かります。
こちら側の気持ちを汲み取ってくれるオペレーターの方がすごく上手で、色々と自治体に聞かなきゃいけないこと、自治体によって違うことなども丁寧に答えてくれます。メッセージ機能もすごく助かっています。
竹腰)圧倒的にHUGさんはオペレーションがいいんですよ。電話をかけた時の対応とか、施設側としてはめちゃくちゃ嬉しい。
初めて児童発達支援をやって、不安なこともすごく多い中、痒いとこまでいろいろなことを教えてくれて対応する社内風土みたいな。そこがすごくいいなと。
施設見学しに行ってからのアフターフォローも含めて、すごく丁寧に対応してくれたことは嬉しかったことの 1 つです。
こども園の普段の生活の中に療育は散りばめられていると思っていて、それをここ児童発達支援でやってると、療育畑の人からすると、療育と保育は別物だよと言われます。
「これってただの保育なんじゃないの?」「預かっているだけなんじゃないの?」と。
保護者の方は、療育を受けたくて児童発達支援に来ているわけです。
「この部分が子ども達に、こういう風にアプローチできるんだよ。」ってところを明確に示してあげる必要があります。
そこに対して、HUGで写真をつけて自分達の想いまで送れることは、すごくメリットがあり、療育が見える化されて、保護者の方に伝わります。
「先生はこんなことをやってくれているんだ」って相互コミュニケーションが生まれるようなシステムの作りになっているHUGはすごく評価が高いです。それで、こども園の保育と療育を切り分けることができました。
イ)こども園と児童発達支援の両方を運営する中で大変だと感じることはありますか?
中島)併設型にすごくこだわったため、見える化というところにもこだわっていますが、保護者としては児童発達支援に迎えに来る辛さもあります。
児童発達支援を初めて利用される方もいます。こちらから「児童発達支援に」とお声がけした保護者の方も複数名いて、不安も大きく繊細な部分じゃないですか。
最初は「自分の子は他の子と違うの?」と単純にそう捉えてしまう。
不安から始まって数ヶ月経ち、最初は集団の中にいて欲しい保護者さんもいた訳ですが、毎日記録で見てくださり、実際に私たちと保護者が話す時間が増えたことにより、「どういう風にこども園で過ごしていて、どういうことが難しいのか、こちらの児童発達支援ではどういうことが楽しいのか」を知ることができました。
その分、保護者の気持ちに変化があったように感じることが多くなりました。子どもにとってどういう環境がいいかです。
「周りからの目線を気にし過ぎちゃっていた。」「療育はもちろん大事だけど、みんなと一緒がいいと思う気持ちが大きくなり過ぎていた」という方が、今は「子どもに合わせた環境の大切さが分かりました。」とすごく理解が増した感じです。
竹腰)こども園でも話はできますが、限界はあり、「やっと話せる相手ができた」と保護者の方に言われました。
こども園としては、みんなに対して手厚く寄り添ってあげたいところを、ここでより寄り添えた感じですね。
グループ園の先生たちともすごく密に連絡が取れています。
その中での困りごととして、「今、集団ではこうなっているから、それをここでできたらいいな」とお願いされたり、逆にうちの様子を伝えることができています。グループ園と連携できるというのは、大きな強みですね。
イ)開所してすぐでも利用者様がとても多いようですが、お声掛け以外で周知はどのようにされましたか?
中島)「ひかりこどもえん」の配信アプリ「コドモン」での開所のお知らせや、HP、インスタグラムです。HPを見てご連絡いただいた方もごく少数ですがいます。
イ)送迎は行われていますか?
中島)送迎は各園に迎えに行っています。あま市の園と清須市の園です。姉妹園以外のお子様たちはお母さんたちの送迎をお願いしています。
竹腰)この定員規模だとグループ園だけがここの対象になります。もっと遠いところからも利用したいという声もありますが、法人としては利益ベースの事業展開は考えていません。子ども達にとって「何がいいか?」っていう施設です。
地域で必要とされて「あそこの園だったらここまでやってくれるよね。」っていう周知が園の価値を高めることになるし、全ての子どもたちにとって「困ったらあそこ行けば何とかしてくれる」そんな大きな受け皿になっていけたらと思っています。
イ)HUGにあったらいいなと思う機能はありますか?
竹腰)システムではないけど、開所支援してくれていますよね?それを、例えば加算内容を説明してくれますが、あれをもっと個別に訪問対応などで「手伝いを制度化」してもらえると利用者はすごく助かります。
結局電話対応してくれているから、それを有料でもいいと思っているわけです。オープンのオンラインセミナーを、個別でクローズにしてもらって、そこで困りごとを聞く。などです。
いろいろ細かくフォローしてくれているネットアーツさんだからこそ、「そういうこともできますよ」っていうようなことも打ち出してもいいのかなと思いますね。
初めて開所したので、すごく助かっています。とりあえず県に聞くよりHUGに聞いてと言っています。実際に時間を割いてくれているのに、それに対して全くお金がかからないですもんね。「何とかプラン」みたいなのがあってもいいと思いますね。
3つ以上システムを入れているんですが、圧倒的に4つ目のネットアーツさんが一番距離感近いです。
イ)ありがとうございます。そこを含めてのHUGですので、そう言っていただけてとても嬉しいです。
中島)モニタリングの前に、こちら側の評価とか、個別支援計画に対してこちらが評価として入力する機能はありますか?
竹腰)最終的にしたいことはモニタリング記録を印刷するとして、それが全部出てくる印刷項目と、保護者向けに印刷する項目はチェックだけ入れた項目が保護者向けに印刷されて、チェックが外れている項目が施設には残るような感じはできますか?
イ)クローズの部分と公開する部分を分けていくことですね。
中島)モニタリングの時とか、全部お母さんの思いばかりになってしまうと、実際に集団や小集団での子どもの姿をお母さんは見ていないから、分からない部分も多いと思うし、私たちが毎日見ている様子を伝える。口頭で伝えてはいますけど。
実際見たところで、こういう風にした方がいいんじゃないか?というのを個別支援計画の方に落とし込んで保護者さんの方にも見ていただけるようにですね。
イ)貴重なご意見ありがとうございます。社内で検討させていただきます。
イ)最後に今後の展開を教えてください。
中島)多機能型にしているので、今後は放デイもと思っています。すぐには無理なのですが、年長で通ってくれている子がそのまま放デイに行きたい思いや保護者の方にも「小学校に上がってからも、ここでお願いしたい 」と言われています。
人員などで時期はまだわからないのですが、児発をやりながら、ゆくゆくは放デイや就労支援Bもやりたいですね。
竹腰)一緒に働いてる人たちの中で自分のお子様の発達段階に何かあったり、仲間の困りごとを聞くことが多いんです。
実際18 歳までは放デイに入れるけど、そのあとはどこに行くのか?という困りごとがある。だったら社会福祉法人だし、地域貢献のためにやって、それが広がり輪として広がって「うちの法人を好きになってくれる人が増える」集団を目指しています。
ここの利用者数が意外に多かったんです。
児童発達支援で利用者が来なかったらと思い、多機能型で放デイもと準備したので部屋は余分に作っています。でも職員室と応接室を余分に作ってないので単位分けは難しいのですが。
しかし、インクルーシブの中でこども園内に児童発達支援を作ることが優先だったので、放デイ部分がおざなりになっていますが、放デイから就労支援とつなげていきたいですね。
それこそ、「就労支援の畑で収穫した野菜を食事に提供しています。」と、こども園の保護者の方に話ができたら、皆がハッピーですよね。
そういう風にできればいいと、児童発達支援を始めたことによって未来が見えたんです。
そして、その想いに「いいね」と言ってくれる仲間が増えました。児童発達支援を経験している職員たちです。うちの職員からの紹介じゃない子たちも採用できました。
見方も考え方もモニタリングの仕方も本当に深くなったというか、幅が広がったというか。
それがすごくいいですね。
イ)本当に素晴らしいことですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
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