放課後等デイサービス業界に
広く通じる情報を随時配信中!
2023/08/09
放課後等デイサービス事例インタビュー
沖縄県島尻郡を中心に多機能型事業所と放課後等デイサービスを運営する有限会社寿ランドの責任者 石田様にお話を伺いました。
有限会社寿ランド様は、「多機能型事業所 リズム」「放課後等デイサービス りーる」のほかに「寿スイミングスクール」「寿デイサービス」「有料老人ホーム ゆうらく寿」「学童クラブ VI-VA」「さんすう学習室 まーべる」を運営されています。
幅広い活動の経緯やご苦労、今後の目標について詳しくお話を聞くことができました。
インタビュアー(以下:イ)まずは施設について教えてください。
石田様(以下:石田)沖縄県で多機能型施設(放課後等デイサービスと児童発達支援)の「リズム」と、放課後等デイサービスの「りーる」の2つの施設を運営しています。
イ)石田様の業務について教えてください。
石田)障害児支援部門の責任者です。2施設3事業所があるので、それぞれの管理者との調整が主な業務です。
また、子どもたちへの直接支援業務も行っています。
同じ施設内でスイミングスクール、デイサービス、学童クラブ、他地区に有料老人ホームを展開しておりますので、それら部門との調整も担っています。
イ)もともとはスイミングスクールからスタートされていますが、障害児支援を始められたきっかけなど経緯を教えてください。
石田)弊社は会社の理念として「地域の皆様のエンジョイライフをサポート」を掲げ、スイミングスクールを設立しました。会員のお客様の「こんなことで困っていて」という声に、会社として「何かお手伝いできることはないか」との想いで展開してきました。
例えば、高齢の会員様の「いつまでもプールに入りたい。だけど、いつまで通えるのかな」という不安の声からデイサービスを立ち上げました。
また、集団指導でのレッスンに苦手を感じるお子さんやてんかんなどの持病があるお子さんの保護者様からの「プールが好きなので楽しませてあげたい」「体力作りにプールが一番と聞いたのでやらせたい」という声から、安心してプールを楽しむことができるようにと放課後等デイサービスを立ち上げました。
学童クラブは、「地域の子どもたちを預かる場所がない」という声から、子どもたちがのびのび育つ場所になるようにと作りました。
お客様たちの声から「何かできることはないか」と自分たちが考え、現在の多展開を行っています。
イ)施設としての特徴はいかがでしょうか?
石田)一番の特徴はスイミングです。
問い合わせから利用につながるのは、「プールで泳ぎたい子」が多くなります。
一般のスイミングスクールに通うことができる子もいるとは思いますが、みんなと同じ練習をすることやステップアップしていくことに不安や困難があるからこそ、わたしたちの施設に興味と期待をしてくださるのだと思います。
水は大好きだけど、泳力アップが目的ではない。
陸上だと身体を動かすのは難しいけど、水の中だと動きやすい。
だから楽しい!
そんな想いを叶えてあげられる。それがわたしたちの施設の特徴です。
イ)スイミングを通して身体を動かす楽しみですね。
石田)プールを希望して通所する子どもたちが多いのですが、年齢を重ねていくと徐々にプールに入らなくなるという実情があります。
それは、下校が遅くなることや身体の成長の変化など子どもたちそれぞれに理由があるようです。
そんな子どもたちに「何をしてあげられるか?」と考えて近年始めたのが、「さんすう学習室 まーべる」です。パソコンやタブレットを使った学習支援が子どもたちの学ぶ意欲になっています。
学習室は、放課後等デイサービスの子どもたちのほかに、学童の子どもたちやスイミングスクールの子どもたちも利用できます。時間帯を調整しながら、各施設を利用する子どもたちが自主的に勉強ができる環境になっています。
もちろんプールが一番の魅力なのですが、プールだけでない、数ある選択肢から子どもが活動を選ぶことができるのを大切にしています。
イ)保護者様はプールもパソコンも両方利用できると喜ばれますよね?
石田)びっくりされます。いい意味で意外なようです。
プールで来たのに、パソコンを使った学習支援もあるので。
イ)ずっと通わせたくなる、素晴らしい特徴ですね。
イ)スイミングを療育の中に取り入れるのは珍しく難しいですし、真似できるものではありませんが、療育としてスイミングをするときの注意点などはありますか?
石田)スイミングでも室内の療育でも、とにかく「子どもたちに信頼されたい」と考えています。
「水が好き」だから通う子どもが多いのですが、中には「水が怖い」と思っている子もいます。
そんな状態だった子どもたちが ”何故” プールに入れるようになるのかというと、いつも一緒にいて遊んでくれる職員がそばにいるからです。
つまり、「自分の大好きな先生と一緒だから水の中は怖くない」と安心につながるからではないでしょうか。
療育にスイミングを取り入れていますが、毎日プールに入るわけではありません。複数の利用日の中の週1回だけです。
その週1回を楽しく過ごしてもらうために、一番大事にしていることは、
「先生とだから水も大丈夫!」と思ってもらえるくらい良い関係性を築くことです。
なので職員は、「子どもと一緒に楽しむ!」ことを何よりも大切にしてくれています。
また、泳力アップを目指している子は、スイミングスクールのコーチも一緒に支援をしてくれます。
プロのスイミングコーチから指導方法を聞き、子どもたちの泳力を伸ばす視点を持って療育を行えるのが、うちの施設の強みです。
イ)なるほど!スイミングは療育の手段の一つ。スイミングを活用しているけど根底には職員と子どもたちとの信頼関係を構築して楽しく過ごしてもらえるように努力されているのですね。楽しく過ごしてもらうために意識されていることはありますか?
石田)「子どもたちにとって”安心できる居場所”となるように」を合言葉にしています。
大人は、いろいろなことを子どもたちにさせたくなります。
職員は子どもたちのために活動の準備をします。準備したら、それを子どもたちにやらせたくなってしまいます。でも学校帰りの子どもは、「これ以上何かをしたくないよ」とやりたくない気持ちのときもあります。
その時に「どうしたの?」と子どもの話を聞いて、「じゃぁ、どうする?」と自分の行動を決められるようにもしています。
やりたい気持ちに寄り添って欲しいし、やりたくない気持ちにも寄り添っていられる事業所であり、職員でありたいと考えています。
イ)子どもたちのコンディションや気持ちに寄り添いながら支援ができるように心掛けられているわけですね。
石田)もちろん、「泳力を伸ばしたい」「手先が器用になって欲しい」など大人の希望もいっぱい入るわけですが…一番大切なのは、子どもの自己決定です。
イ)本当にそうですね。大人はあれやこれやと詰め込みがちになりますが、子どもたちの気持ちが入らないと、力は付きませんから。前向きに取り組むために子どもたちの目線を大切にされていることがわかりました。
イ)このたびHUGを導入しようと思われた決め手は何でしょうか?
石田)以前、請求は別のシステムで、保護者との連絡は紙の連絡帳を使っていました。
子どもたちがいる時間に連絡帳を書いて持って帰らせなければならない。
そのため、書き物をする職員が必要になり人が取られる。その分、子どもたちを直接支援する人材が不足する。子どもの支援に手が回らないという悪循環に陥ってしまいました。
保護者とのやり取りが紙媒体の連絡帳だったことが、深刻な人材不足を招いていたわけです。
「せっかく子どもたちに来てもらっているのに、子どもたちに満足してもらえていないのではないか?」と問題提起が職員から出てきました。
では記録に回る職員を子どもたちの支援に充てるにはどうすればいいのか?
そこで、HUGの導入を考えるようになりました。
イ)日々の記録を簡素化するため、療育に集中するためにですね。
石田)HUGはすべての機能が揃っていることも魅力的です。職員としては「その日の出来事は、その日に保護者様へ伝えたい!」という想いがあり、HUGなら十分に叶えることができると考えました。
イ)実際に導入されて、職員の方はどのような感想をお持ちでしょうか?
石田)一番大きいのは写真です。
紙の媒体だとその日の様子の写真が渡せない。でも電子化されたことでできるようになりました。
しかし、写真を送り過ぎるとカメラマンが一人必要になるので、そうならないように、できる範囲でと確認しています。
けれど、ご家庭で見て欲しい良い瞬間がたくさんあり、抑えるのに苦労しているようです。
イ)保護者様も写真1枚あるだけで施設での様子が手に取るようにわかりますからね。
「療育中に書かなければならない連絡帳」の電子化を、HUGを使うことで当初の目標は達成できたのでしょうか?使い勝手はいかがでしょうか?
石田)一番の課題は、十分改善できています。
多機能で使いこなせていないので、まだまだこれからですが。
イ)サービス提供記録をとても丁寧に対応されていますが、保護者様は返信されていますか?
石田)きめ細やかに連絡をいただける保護者様がいらっしゃいます。楽しみにしているという声も届いています。送信の時間を見ると、時間の制約を受けないで使っていただけているようです。
イ)他に保護者様との連絡や関わりに変化はありましたか?
石田)すべてをHUG一つにまとめたいけど、まだ難しいですね。
旧システム時代からLINEを活用していました。緊急の連絡はLINEの方が便利です。
HUGはアクセスしないと連絡が来ているかどうか分からないけど、LINEだとポップアップされますから、常に確認できます。
また、「スマホの画面だと文字がよく見えない」とおっしゃる保護者も中にはいます。
そのため、保護者との連絡を全部HUGにまとまることが目標でしたが、現状はまだ未達成になります。
イ)弊社も改善に努めます。アプリ化も含め、また報告させていただきます。
(2024年6月11日追記)
HUGでは、保護者用マイページがアプリに対応するアップデートを2024年2月19日午前10時より提供を開始しました。
アプリ対応に伴い、保護者に対してサービス提供記録の公開に伴う通知や保護者にメッセージを送信した際にも通知ができるようになり、放課後等デイサービス・児童発達支援を運営される皆様にとっても、より保護者とのコミュニケーションが取りやすくなるよう対応しました。
イ)保護者様へ次月予定などを連絡するお便りは以前から作られていますか?
石田)紙で配っていた「お手紙」がありました。週1〜2日通う子も多いので、お手紙だとタイムラグがあります。お休みされるとさらにタイムラグは大きくなっており、渡し忘れも発生していました。
そこで、HUGを導入してからすぐに「お手紙」を「活動記録」へ移行しました。
HUGの活動記録に変更したところ、リアルタイムで見てもらえるようになりました。
イ)とても素敵で細やかな配慮があるお手紙を作られているのを拝見しました。
それをHUGで活用してもらえたのは大変光栄です。
イ)保護者様へのHUG導入については早めに周知されましたか?
担当の方からのアドバイスで一気に始めない方がいいと聞いたので、今月はこちらを始める、次はこちらと2段階、3段階と段階を踏んでスタートしました。
イ)保護者様へマイページなどの利用案内はどのように進められましたか?
石田)基本的にはHUGさんで用意してもらったマニュアルからです。
必要なところを絞って印刷したものを渡し、紙媒体だけではなく、LINEに載せて周知もしました。
それでは難しい場合は、お会いした機会に職員が携帯の画面を見ながら「今はこのページですね」と直接説明したこともありました。
イ)HUGを使って改善されたことや良かったことはありますか?
間違いなく良かったと思っています。
保護者さんとのやり取りもある程度HUGで行えるようになったと思いますし、請求関係もHUGに完全移行を進めている段階です。以前と比べて楽になったと職員と話をしています。
イ)HUGに欲しい機能などありますか?
石田)アプリ化やイレギュラーな実費の登録が、より簡単になると良いですね。
イ)貴重なご意見、ありがとうございます。会社に持ち帰り検討させていただきます。
イ)さいごに今後の展開を教えてください。
石田)弊社は、0歳の赤ちゃんから100歳のデイサービスに通われるご高齢者様まで幅広い年代の方にご利用いただいています。
そして、放課後等デイサービスや学童クラブに通う子どもたちが元気に彩ってくれています。
「関わったすべての方が安心して過ごせる場所」が弊社の持ち味だと言えます。
先日は、学童クラブ、デイサービス、多機能型事業所リズム、放課後等デイサービスりーる合同での水泳大会を開催しました。水泳の記録会のほかにもリレーや綱引きも行ってみんなで楽しみ、精一杯声援を送りました。
4歳から100歳近い利用者が参加し、地元の新聞にも取り上げていただきました。
これからも弊社だからこそできるイベントを開催していきたいと思っています。
イ)素晴らしい取り組みですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
弊社が提供している「HUG」は放課後等デイサービス運営会社が開発したソフトウェアです。
請求業務はもちろん、個別支援計画やサービス提供記録の作成から管理も簡単に行えます。
実際にHUGをご利用いただいている放課後等デイサービス事業者様の感想をご紹介していますので、請求ソフトや管理システムの導入を検討されている方はご参考くださいませ。
HUG導入のお客様の声はこちら
お電話でもご案内も受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
052-990-0322
受付時間:9:00~18:00(土日休み)
新着記事や放課後等デイサービスに関するお役立ち情報をお届けします!