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【法改正】地域のインクルージョン推進の体制と取組について

2023/03/29

行政書士小澤先生の放デイコラム

【法改正】地域のインクルージョン推進の体制と取組について

みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!


今回は放デイラボのYouTubeチャンネルの中で『【法改正】地域のインクルージョン推進の体制と取組について』として、放デイ業界を支える行政書士 小澤信朗先生にわかりやすく解説いただきましたので、その内容をご紹介します。

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令和5年3月開催の障害児通所支援に関する検討会

2024年(令和6年)法改正(報酬改定)に向けての放課後等デイサービスや児童発達支援などの障害児通所支援における「障害児通所支援に関する検討会」が行われました。

放課後等デイサービスや児童発達支援の従事者としては、今後の事業所の在り方について気になるところではないでしょうか。

基本的な考え方について(記事はこちら)紹介しましたが
今回はさらに、地域のインクルージョン推進の体制と取り組みについて紹介します。

参考資料:
第11回「障害児通所支援に関する検討会」
障害児通所支援に関する検討会報告書(素案)
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部企画課 企画法令係社会保障審議会 (障害者部会)
令和5年3月14日

地域インクルージョンの推進とは

「地域のインクルージョン推進」とは、すべての人が地域社会で平等に参加し、支援し合い、安心して暮らせるようにする取り組みのことです。

例えば、身体に障がいのある人が地域の施設や活動に参加する際に、バリアフリーの環境やアクセシビリティの向上が必要になります。また、外国籍の人の子どもたちが地域の学校に通う際には、言語や文化の違いに対応する教育や支援が必要になる場合もあります。

このような課題を解決するため、地域の各種団体や自治体、学校などが協力して、誰もが平等に参加できる環境を整備し、支援を充実させることが求められます。それが、「地域のインクルージョン推進」です。

障がい者の権利に関する条約では、障がい児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)の促進等が定められており、「今後の障害児支援の在り方について」(平成26年7月16日障害児支援の在り方に関する検討会報告書)では、障がい児支援を、その専門的な知識・経験に基づく一般的な子育て支援施策をバックアップする後方支援として位置づけました。

障害児福祉計画の基本指針では、全ての市町村において保育所等訪問支援を利用できる体制を構築することを位置づけ、児童発達支援センターは保育所等訪問支援を実施することで、地域の障がい児支援を推進していくことが期待されています。

こちらを踏まえて、今回の内容を確認しましょう。

地域のインクルージョン推進の体制と取組について

〇 児童発達支援センターには、地域のインクルージョン推進の中核としての機能を果たすことが期待される。
児童発達支援センターは、専門的な知識・経験に基づき、保育所等訪問支援やスーパーバイズ・コンサルテーション(注1)により、保育所や放課後児童クラブ等における障害児の育ちの支援に協力等するとともに、保育所等の障害児への支援力の向上を図り、併行通園や保育所等への移行を推進していくことが重要である。


(注1) 保育所等訪問支援は、こどもや保護者等の意向に基づき、対象となるこどもを軸に、個別的な支援を通して園や学校等として障害児を受け入れる力をつけていく手法。
スーパーバイズ・コンサルテーションは、園や学校等全体に対して、インクルージョンが推進されるための環境をつくれるように働きかけることにより、園や学校等として障害児を受け入れる力をつけていく手法であり、これらを組み合わせて効果的に取組を進めて行くことが重要である。

〇 地域のインクルージョン推進の中核としての機能を果たす観点からも、児童発達支援センターは、保育所等訪問支援事業の指定を併せて有することを基本とするべきである。

 

〇 各市町村においては、巡回支援専門員整備事業、都道府県等が実施する障害児等療育支援事業等を活用し、児童発達支援センターが、保育所や放課後児童クラブ等へスーパーバイズ・コンサルテーションを行うための体制整備を進めることが必要である。
また、国や都道府県は、各地域の体制整備が進むよう、財政面・ノウハウ面での支援を行うことが必要である。

 

〇 児童発達支援センターにおいて、 地域全体の子ども・子育て支援施策等を適時に効果的に後方支援できるよう、国は十分かつ柔軟な人員の配置について検討すべきである。

 

〇 地域のインクルージョンの推進に向けては、児童発達支援センター等による支援のもとで、保育所や放課後児童クラブ等における障害児保育等の取組を充実していく必要がある。
また、保育所等の職員研修等においてインクルージョンの推進や障害児支援に関する事項を充実させることや、環境面でのユニバーサルデザインを進めることも重要である。

 

〇 また学童期のインクルージョンを推進していくうえでは、放課後等デイサービスと放課後児童クラブ等との交流を通して、ユニバーサルな環境づくりを促進していくことも重要である。

 

〇 学校や社会的養護における障害児支援に関する後方支援を進めることも重要である。こうした場に対する保育所等訪問支援、スーパーバイズ・コンサルテーション、研修等の取組を進めることが必要である。

 

〇 インクルージョンの推進にあたっては、幅広い地域の関係機関それぞれが理解を深め、連携・協働し、障害児支援の対応力を強化して取り組んでいく必要がある。
市町村においては、障害児支援担当部門と子育て支援担当部門が連携し、地域に設置されている児童発達支援センターの機能や地域資源の状況等を踏まえながら、必要な連携体制を構築し、取組を進めていくことが必要である。

〇 地域におけるインクルージョン推進の基本的な考え方や重要性を、地域の住民や関係機関等に共有していくことが重要であり、市町村は、児童発達支援センター等と連携・協働し、広報や会議、研修等の機会を活用しながら、インクルージョン推進の重要性や取組について発信・周知啓発を進めていく必要がある。

 

〇 改正障害者差別解消法により、事業者による社会的障壁の除去の実施に係る必要かつ合理的な配慮の提供が義務化されており、地域の習い事等の様々なサービスにおいても合理的配慮の提供の下で障害児を受け入れていく環境を整備していくことが重要である。
こうした事業者も含めて、障害児支援の後方支援を進め、インクルージョンを推進していくことが重要である。

 

〇 さらに、今後インクルージョンをより一層推進していく上では、保育所等の一般施策側の支援力の向上を図っていく必要があるが、そのためには、児童発達支援センターによる一般施策や地域の様々な活動への後方支援の取組を強化する等、児童発達支援センターをインクルージョン推進の観点から高機能化し、地域のインクルージョン推進の拠点となるよう進めていくことが重要である。

重要ポイント

今後、いよいよ児童発達支援センターは地域のインクルージョン推進の拠点となるよう機能が強化されていきます。

その中で保育所等訪問支援は、子どもや保護者等の意向に基づき個別的に支援し、スーパーバイズ・コンサルテーションにより園や学校等全体にインクルージョンが推進されるように働きかけ、園や学校等は障がい児の受け入れを推進していきます。

放課後等デイサービスは放課後児童クラブの連携が求められ、地域の習い事においても障害児支援の後方支援を受けたインクルージョンへの配慮が求められていきます。

まとめ

2024年に向けた障害児通所支援に関する法改正は、ここからより具体的な報酬改定の検討へと進んでいきます。その前提条件を理解するため、方向性だけでもチェックしておきましょう。

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052-990-0322
受付時間:9:00~18:00(土日休み)

小澤信朗先生のご紹介

利用者負担上限額管理をする必要が初めて出てきた場合の対応

1977年東京生まれ。東京都中野区で活動する行政書士。
山形大学人文学部4年の時に、知的障害児のための学童保育でボランティアを始めたことをきっかけに、 障害福祉サービスに関するサポート業務をおこなうことが自分のライフワークとなる。

山形大学人文学部を卒業後、介護保険対応総合システムのサポートを経て、 2010年9月に行政書士として独立。
放課後等デイサービスは、東京都の他、青森県や岩手県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、静岡県、愛知県、長野県、三重県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、沖縄県などからも依頼をうけ、開設や運営のコンサルティングや申請代理業務を手掛けている。また開業後、リコージャパン株式会社、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会、パナソニックエイジフリーケアセンター香里園、NDソフトウェア株式会社、新興サービス株式会社、多摩信用金庫、株式会社細田工務店、株式会社エス・エム・エス、株式会社いきいきらいふ、連合福井、杉並区地域包括支援センターケア24西荻、府中市地域包括支援センター安立園など上場企業や地域包括支援センター主催のセミナーで講師として活動するなど幅広い活動をおこなっている行政書士である。

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