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2023/01/10
放課後等デイサービス事例インタビュー
埼玉県ふじみ野市で放課後等デイサービスを運営する多機能型事業所スピカ様にお話を伺いました。
合同会社Spicaの新田様は、2022年3月に放課後等デイサービス・児童発達支援『多機能型事業所 スピカ』を開所。不登校や引きこもりを支援する珍しい放課後等デイサービスを立ち上げられた経緯やご苦労、今後の目標について詳しくお話を聞くことができました。
>>【前編】集団生活が苦手な児童を支援したい【多機能型事業所スピカ様】
新田様(以下:新田)僕が一番嫌だったのは、子どもは“慣れる”と思われることです。研修では“慣れはしない”って教わってるのに、療育側になると“いずれ慣れる”とか言うんですよね。
確かに、ある程度はあります。例えば、利用が初めての児童の最初の個別支援計画に 「1 年の生活に慣れる」など、やっぱり取り入れるんですけど、集団生活に関しては“慣れる”はないと思いますよね。
それが苦手な特性なので、LD (学習障害)で算数ができない子に、「いずれ慣れる」と言っているようなものです。
イ)下手したら苦手を押し付けるみたいな形になるわけですね。
新田)それは嫌でしたくないですね。
イ)その思いを実現されていらっしゃいますが、開所で大変だったことはありますか?
新田)もちろん、あります(笑)最初は合同会社の予定で、同じ目標を持った3人ぐらいでやろうとしていました。
しかし、結局自分1人で立ち上げることになりました。最終的にそこで資金が不足し、急遽人員を揃えるのも苦労しました。
資金面で余裕がなかったので金融公庫に融資を申請する度に努力をしました。集客も、当初の立ち上げる時に4人ぐらい利用希望者がいたのですが、実際には3人利用を見合わせるなど。だから最初は利用者が一人でした。
また、放デイの許認可もどんどん厳しくなってきていて、すべての条件を整えてから3ヶ月後じゃないですか。3ヶ月間の審査する間の維持費とか苦労しました。
イ)コストはそうですよね。入金サイクルもそうですね。
新田)その当月に入ってくるわけでもないですし、2ヶ月後とかですから。僕と同じように、志を持ってやりたいって人はいるんだろうけど、そこに対するフォローは全然ないと思います。
組織的な会社がどんどん開所していくようなスタイルになっているだろうから、個人では大変でしたからね。
書類手続きや求人とか、その辺りは行政書士さん、税理士さん、社労士さんに依頼していたので、その分お金は必要でした。僕一人でできればよかったのですが、ずっと働いていたので、働きながら法人も設立して、事業所を立ち上げる。準備は一番地獄でしたね。
イ)時間とお金と兼ね合いもありますしね。
新田)21時~22時に仕事から帰ってきて、そこから事業所立ち上げの書類を見たり、翌朝7時ぐらいから仕事してとなると、去年が一番しんどかったです。今の方が全然身体が楽ですね。
イ)そうですか。やっぱり相当の思いを持って、こうやりたい!という思いがないとできないですね。
新田)その時、放デイに不登校の子がいて「不登校の子たちをもっと助けてあげたい」という思いがありました。その時に一番悲しかったのは、市役所の子育て支援課の人に言われて、うちに来たらしいのですが、他の放デイに全部断られたから、隣の市からうちに来たんですよ。
「他の放デイに断られたからここに来たんですけど、預かってもらえませんか?」って。
児童福祉で、子どもたちを助けようとしてるのに、放デイが断ったってどういうことだと。
その子は、家に一人でいるとオーバードーズしてしまうから、親御さんがレスパイトとして預かって欲しいって言ってきているのに。他の放デイが断ったていう話を僕は信じられなくて。
それで児童福祉を名乗っていることに矛盾を感じます。「自分たちが正しい 」って思いでやってる人に限って、他の放デイを否定するんですよね。
そうではなく、他の放デイも認めてあげればいい。それぞれに長所があって、それぞれが協力しあってやればいいのに。放デイ同士が敵対し合っているように感じます。
イ)お互いに学び合ったり、得意なところを認め合ったりして関わり合っていけると、利用者の方のために支援の場所になりますね。
新田)それが一番いいと思います。よく言われたのは、不登校の子をうちが預かるという話をした際に、それは文科省でしょ?って言う人たちが多かったんですよ。
放デイは厚生労働省の管轄で、文科省で手に負えないことを私たちに押しつけてるだけだから余計なお金を使わないで欲しいとストレートに言われたこともあります。
でも厚生労働省がガイドラインで謳っていることを知ってるから「不登校の子たちもサポートしてあげる施設があってもいいんじゃないですか」と言っています。その中で「不登校専門の放デイを立ち上げる」と言った時点で首をかしげる人が多く、そこはすごく苦労しましたね。
いろいろなところに挨拶へ行ったのですが、「不登校の子たちを受け入れる放デイです 」と伝えたところ
「ダウン症の子とか、その属性の人は一切受け入れないということですか?」と言われ、
「その子達も、うちの学習に取り組めるなら受け入れますけど、学習に向いていないなら苦しくなるだけですよ。そういう子どもは受け入れられません」と答えたら、それは選定してるってことですか?となりました。
私たちはあくまで、その子に合った支援がしたいだけです。だから、昔ながらの思いで放デイをやってる人たちと、特徴を持った放デイをやろうとする人たちはぶつかり合うところはあります。
昔ながらの意識を持ってる人は、みんなが利用できる放デイです。
その使命はすごく正しいと思うので、みんな仲良く共存し、そこで生活しようというその理念はすごい尊いし、高いものではあるのですが、ただみんながそれを受けることで、みんなが楽になれるわけじゃない。苦しむ子もいるんだよ。ということを分かってほしいと思いましたね。
イ)考え方のベースが利用者様目線ですね。療育の内容も含め、不登校児童の対応にしても貫き通す思いをすごく感じました。
新田)やっぱり大変だったことの1つに周りからの理解が難しかったことですね。
本当に、説明しても分かってもらえることと分かってもらえないところがあります。その辺りは口コミしかないと思ったので、今利用している子をしっかりとサポートして、その子が満足していけば、どんどん口コミが広がっていき、結果的に利用者が増えていくはず、という思いでいました。
イ)子どもたちが目標ややりたいことを見つけられるのは、考えや療育の仕方があったからなのだと改めて感じました。
新田)嬉しいことは、うちを利用し始めて辞めた子もいないし、利用日数が減った子もいないことです。
イ)それは、一番大きいことですね。子どもたちが通いたい、居場所ができたと。そこに現れていますね。
新田)子どもたちが楽しんで自分の意思で来てくれる事が、僕は大事だと思っています。誰かに言われてではなく、自分の意思で楽しいから行くっていうのが大事だと思います。
僕が送迎をやってない理由の1つとして、そこもSST (ソーシャル・スキル・トレーニング) の1つなんですよ。
親に送ってもらうから行くのではなく、自分の意思で行く。会社もそうです。将来的に通勤通学も含めて自分の意思でそこに通う。親御さんに協力していただいています。送迎を完全にやっていないわけではないですが、そこも含めて療育につながることを願っています。
イ)元々のお勤め先でHUGを使われていて、今回もHUGを導入いただけたようですが、引き続きご利用いただけた理由を教えてください。
新田)2つ前の職場では連絡帳を子どもの預り時間に書いてたんですね。お迎えで親御さんにすぐ渡さなきゃいけない。その日の子どもの支援よりも、連絡帳書くことが仕事みたいでした。子どもたちを見ながらなので、本当に大変でした。
外出先でも連絡帳を持っていっていました。僕は外出したときの連絡帳は張り紙でもいいと思ったんです。「今日は、どこどこに行きました。」ぐらいで。そういう提案をしないと、大変な子を預かっている状態で連絡帳を書くのは、とてもじゃないけど無理です。
しかも帰りまでに書かないといけない。だから言葉も定型文になっちゃうことに意見していたのですが、改善はできませんでした。
ところが、1つ前の職場でHUGが導入されていました。HUGの連絡帳は子どもが帰った後でも書けるわけですよ。
これはすごいと思いました。子どもたちがいるときは、支援に集中して、後で落ち着いた状態で書けます。携帯でも書けるので思いついた時に書ける。そして何より写真が添付できる。
連絡帳は文字だけなので親御さんに伝えたいことが伝わらないこともあったんですね。そこに写真を何枚か撮って「今日はこういうことやってました。」と伝えられるのは素晴らしいと思いました。
連絡帳でHUGを知った後、出退勤とか個別支援計画とかも全部HUGでできることを知りました。HUGって何でもできちゃうの!請求もHUGでやれる。
前のところは全部手入力だったんですよね。あれがもうほんとにしんどくて、コピペも使えないし、国保連の請求をする際に、とにかくやる仕事が多すぎて、締めの30日ぐらいは地獄でした。
それをHUGは出退勤の記録で自動計算してくれるから、もう計算しなくていいわけです。チェックはするけど、CSVを出力すれば、後はできるからすごいなぁと。児発管の仕事をその時にしていたので、モニタリングの時期も出てきますよね。
「この子の受給者証切れますよ」とか。やっぱり忘れがちになるのですよ。「この子の個別支援計画はこの時期までに更新」などパソコンを立ち上げたときに出るし、すごい便利です。
コロナで体温も計るようになったけど、それも組み込まれてるから、別途管理する必要もなかった。
だから前職の社長に紹介してもらいました。
新田)導入してさらによかったと思ったのが体制等届けです。勤務状況や子どもの預かり状況を登録すると、今これだけの人数がいるから体制等届けを出すと、加算対象になるなど。逆に減算対象になるなど。
手入力だと、それらが手探りになってしまいます。今はおかげさまで見ただけで分かります。
HUGを導入していない施設の施設長が僕に相談してきて、加算が取得できるはずなのに、どうやったら取れるのかな?と。僕の計算だと保育士がいるから保育士の管理職加算とか取れるのではないかと。でも、気づいてなかったらしいんですよね。
HUGを導入していればそこまで損することもなかったわけですね。上限管理もきちんと反映されているので、理解した数値で国保連に提出することができます。そういったところを含めてHUGは良いと思っています。
イ)嬉しい言葉を頂けて本当に、我々も励みになります。
新田)放デイはぜひ導入した方がいいと思いますよ。このシステムがないと、出退勤も何もできていないです。出退勤は税理士さんにも提出していて、税理士さんもHUGを見て、時給を掲載したり、給与計算をしてくれています。
ほんとにこれがないと困っちゃいます。施設運営にHUGを取り入れることができて嬉しい限りです。受給者証の登録とかも凄いし、HUGがあるとないとでは大違いです。僕は2つ前の職場にも月々33,000円くらい払いなさいよ。導入した方がいいよって話すくらいです。
それだけ安心の材料になっていて、連絡帳だけでも、保護者がびっくりするんですよ。手書きの連絡帳に慣れていると、写真まで入ってるし、いつでも見られたりします。他にも、メッセージの既読機能だったり、HUGで予定を入れたりできるのがびっくりするらしく、そういったお声を多くいただいて嬉しい限りです。
イ)今後、施設をやっていく中で目標や同じように開所を目指してる方に向けて、一言をお願いします
新田)一番は、みんな目標を持ってやってほしい。僕は子どもたちが働きたいと思えること、そこに行き着きました。
卒業しました。ではなく、子どもたちが自分の意思を持って、就労や自分の勉強したいことをできることが一番だと思います。これから立ち上げたいっていう方は、自分がやりたいことを大事にしてほしいです。
とにかく利益が欲しい、とかではなく、自分がこういうことをやりたい。イメージ図があれば、放デイのスタイルも貫けると思うんですよね。いろんな批判をされるかもしれないけど、そんな考え方もあるんですね、と認めてもらえると思います。
新しく始める人たちは何より信念、自分の本当にやりたい教育をちゃんとやっていけば、絶対にみんなにも伝わると思うので、意思を持ってやってもらえたらいいかと思います。
お金は、国も含めて、世間ももうちょっと我々にお金を分けてくれないかと。国からのお金は、うちの給与体系になっているので、そこで高い給料を望む人は、みんな頭打ちになります。それに男性が少ない世界です。男性の方々も、もっと手を上げて頑張っていきましょう。
イ)ありがとうございます。他にも何かあれば。
新田)そうですね。みんなHUGを使いましょう(笑)
弊社が提供している「HUG」は放課後等デイサービス運営会社が開発したソフトウェアです。
請求業務はもちろん、個別支援計画やサービス提供記録の作成から管理も簡単に行えます。
実際にHUGをご利用いただいている放課後等デイサービス事業者様の感想をご紹介していますので、請求ソフトや管理システムの導入を検討されている方はご参考くださいませ。
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