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保育園での送迎者降ろし忘れ事故から学ぶ事故防止、安全管理

2022/10/05

放課後等デイサービス事業所様向けセミナー

保育園での送迎者降ろし忘れ事故から学ぶ事故防止、安全管理

みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!

今回は「リスクマネジメント」をテーマに、お話ししたいと思います。

皆様もご存じの通り、また痛ましい事故が起きてしまいました。
再び起こってしまった保育園での送迎車降ろし忘れによる園児死亡事故!防ぐことはできなかったのでしょうか。

福祉事業者様・職員様のリスクをマネジメントサポートしているジェイアイシーセントラル株式会社様にお話しを伺いました。

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再び保育園で送迎車降ろし忘れによる園児死亡事故が発生

皆様もご存じの通り、また痛ましい事故が起きてしまいました。
報道によりますと、令和4年9月5日午後、静岡県内の認定こども園において3歳の女の子が送迎バスの中で亡くなっていました。死亡原因は熱中症です。

バスは園児を降ろし、屋外の駐車場に止められていました。
警察は女の子がバスから降ろされず、置き去りにされたとみて調べを進めています。

また記憶に新しいところでは、令和3年7月にも福岡県の保育園で送迎バスを運転していた園長が、5歳の園児を降ろし忘れ、放置して死亡させた事故がありました。

過去には知的障害者支援施設でも同様の事故が起きています。

静岡県内の認定こども園での事故状況と経過を見てみましょう

 事故状況 

朝8時48分、送迎用バスにて登園するも、バス内に約5時間取り残されたとみられ、同日14時10分頃、バス内にて心肺停止状態で発見される。
緊急搬送されたが、その後病院で死亡が確認された。

 経過 

8:00 18人乗りの中型バスに運転手、乗務員が乗車し園を出発。運転手は普段の職員ではなかった(当日の運転は園長が行った)。

8:48 本児を含め6名の園児を乗せたバスが園に到着。乗務員は荷物を持ちながら、小さい子から降ろした。他の子には自分で降りてくるように声をかけながら門を開け園内に入った。

14:10頃 降園のため、バスを開錠すると、運転手と乗務員(登園時とは別の職員)が倒れている本児 を発見。警察に連絡、救急車を要請

14:30頃 救急車到着。肺蘇生法等を実施し、病院へ搬送

参考資料:
保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議 (第1回)
資料2 静岡県牧之原市の認定こども園における事故概要より(令和4年9月9日)

事故の原因は運転手と乗務員が園児の降車確認を怠った事

先日行われた同法人新理事長による事故原因の説明を振り返ると

  • 1. バス下車時に乗車名簿と実際に下車する園児を照合しなかったこと
  • 2. 園児をバスから降ろしたあとに、運転手と乗務員が車内を確認しなかったこと
  • 3. クラスで最終の登園情報を確認しなかったこと
  • 4. 登園予定の園児がクラスにいないにも関わらず、保護者への問い合わせを怠ったこと


また、本件のような事故を防ぐための体制整備に努めてきたものの、人為的な過誤が起こり得るという認識が欠落しており、過誤に対する監視体制も不十分であったと説明しています。

降ろし忘れ事故はなぜ繰り返されるのか

今回の事故では、運転手やほかの乗務員がバスを降りる際に子どもが残っていないかの確認を怠ったことが、もっとも大きなミスだといえます。

このような過失が起こる背景には、幼稚園送迎バスの運行業務特有のリスクがあります。
園児の身体が小さく、座席の間に隠れてしまいがちです。
また、閉じ込められたら自力で脱出することも、外に知らせることも難しいのです。
さらに慢性的な⼈員不⾜から運転も手の空いた職員が行い、チェックすらできないという脆弱な運営体制に起因するケースもあります。

再発防止に向けて国の指針と具体的な緊急対応策

今回の事故を踏まえ、政府として「保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議」を設置しています。

具体的な点検・調査項目は、以下を想定。

  • ・連絡が無く子どもがいない場合の保護者への確認及び職員間における情報共有
  • ・乗車時、降車時における子どもの人数確認などのチェック体制
  • ・担任職員が、バスに降車した子どもの情報と当日の出欠に関する情報を突き合わせて確認したかなどの降車後の確認体制
  • ・同乗職員がいるか、確認内容の手順等の引継ぎを行っているかなど、送迎バスの運行体制 等
     

こどもの安全対策を強化するため、安全管理マニュアルの整備登園管理システムの普及送迎バスの安全装置改修支援など、再発防止に向けて具体的な緊急対応策を10月中にとりまとめることとしています。

保護者の事業者選びの基準が厳しくなる

送迎サービスを前提とした施設利用を考えている保護者のなかには、運行体制のチェックをする方も出てくることと思われます。

補助員が乗車しているか、座席確認、人数確認のもれ防止対策はどうなっているかなど、事業者に対して質問や詳細な回答を求めるケースも考えられます。

まとめ

降ろし忘れを防ぐには
  • ・降車後に運転手またはほかの乗務員が車内(特に後部座席)を確認する
  • ・出欠確認によって居ないことに気付く

 

事故発生防止に備えた安全管理体制づくりには
  • ・職員間のコミュニケーション、情報の共有
  • ・現場に適し実施可能なマニュアルの策定
  • ・事故予防のための実践的な研修の実施


等が不可欠です。

今回事故を起こした保育園は、残念ながら適切な安全管理が実施されていませんでした。
複数のミスが重なっている状況を見る限り、安全管理体制がシステムとして機能していない事がうかがえます。

システムは万が一ミスが起きた時のバックアップという事が前提であり、人のミスがそのまま死亡事故につながるようなシステム(手順、マニュアル)自体に問題があったのではないでしょうか。

人が正しく確認し、システムを正しく運用することで初めて事故発生防止に備えた適切な安全管理体制と言えます。

事業所様におかれましては今一度、安全管理体制が機能しているか確認しておきましょう。

セミナー案内

今回、お話しを伺いしましたジェイアイシーセントラル株式会社様ネットアーツ10月13日(木)共同オンラインセミナーを実施させていただきます。

「事例から学ぶ」児童発達支援・放課後等デイサービス 事故防止策 を詳細に説明いたしますので、是非ご参加をご検討ください。

■日時:2022.10.13(木) 10:30 ~ 12:30
■参加料金:無料
■講師:ジェイアイシーセントラル株式会社×株式会社ネットアーツ
■会 場:オンライン会議システムZoomを使用します
    入室方法については、お申し込み後メールでお知らせいたします

セミナーの詳細・お申し込みはこちら

※内容・時間については変更の可能性がございます。予めご了承ください。
※申込者多数の場合は受付順で人数を制限させていただく場合がございます。予めご了承ください。

さいごに

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