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2022/12/15
障害福祉施設向け最新ニュース
みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!
今回は、グループ会社のココトモファームの新しい活動について少しご紹介します。
弊社グループ会社の株式会社ココトモファームは、愛知県犬山市で障がいのある人もない人も共に働ける、多様性のある雇用の創出と農業×福祉×ITによる地域活性化を経営目的の一つとしています。
その一環として自家製米・自家製粉による挽きたての「生米粉」を使用したグルテンフリーのバウムクーヘン ココトモバウム の販売を開始。
各種バウムクーヘンを取り揃えておりますが、中でもハードバウム玄米は《2021年愛知ふるさと食品コンテスト優秀賞 農業水産局長賞》を受賞。
2020年11月に1店舗目をオープンして以降、 1年4か月で犬山市や名古屋市や西尾市など県内8店舗にまで拡大しています。
そしてこの度、9番目の店舗「ココトモカフェ フロイデ店」をオープンしました。
店内は明るく落ち着いた雰囲気ですが、バックヤードは障がい者にも高品質商品を造りやすい環境を整備しており、「農・工・商・福祉」総合化事業の実践の場として、農水省による「六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画」にも認定されています。
ココトモカフェに勤務して1か月が経過した就労支援に従事している松島さんに、ココトモカフェやココトモカレッジのことについてお話をお伺いしました。
インタビュアー(以下:イ)ココトモカフェ・フロイデ店について教えてください。
松島さん(以下:松島)ココトモファームが運営している新事業「ココトモカフェ」を愛知県犬山市の市民交流センター「フロイデ」の地下1階にてオープンしました。
ココトモカフェ フロイデ店では自社でつくったお米を使ってライスバーガーを提供しています。
フロイデ店には就労支援事業「ココトモカレッジ」の実習生が、訓練の一環としてライスバーガーを製造したり、接客販売の体験実習を行っています。
イ)ライスバーガーを始めるきっかけは?
松島)ココトモファームは米農家であり、バームクーヘンの製造・販売だけでなく、お米の新しい可能性の提案・お米の可能性を広げるためにライスバーガーを始めました。
また、障がいのある人もない人も一緒に作れる、安心して活躍できる居場所づくりをしたいという想いからスタートしました。
イ)ココトモカレッジが犬山に移転されて変わったことは?
松島)就労支援は実践を通して自己理解を深め、自分の強みや特性を知っていただく場です。犬山市に移転したことでココトモファームでの体験を通して、実践的に学べるようになりました。
イ)実際にはどんな実習がありますか?
松島)ココトモカフェでは実習の場が2つあります。
一つは接客・販売。もう一つは厨房での仕込み作業です。お客様に提供する商品を作ります。
イ)実習生が作ったものをお客様に召し上がっていただくのですね。
松島)実習生はお客様からのオーダーに基づいて商品を作り、提供していきます。 まだ忙しいピークタイムに入ってもらうのは難しいのですが、特性にあわせてできることを増やしていき、いずれはすべての業務に関われるようにしていきたいですね。
イ)忙しいピーク時間以外のところで店舗スタッフと一緒に働くわけですね。
松島)実習と言っても働くだけでなく、そこに参加することで自分の特性を知ることが目的です。 例えばマルチタスクが苦手なら、
・実際に複数の業務を依頼されたときにどこまで対応できるのか?
・シングルタスクに分けてもらったほうが働きやすいか?
など、目的をもって参加してもらうことで実習に働くイメージを持っていただけます。
イ)同じ訓練でも実習生ごとの目標に沿って支援していくのでしょうか?
松島)自立が目的になるので、こちらから全てをサポートするわけではありません。実際に働く中で得意が見つかることもあれば、課題も見つかります。
自分の得意を見つけていただくと同時に、苦手なことや困りごとが出た際には自分から相談する、配慮の希望を伝えるところも含めて自立です。
実際に働きだし、それを言えずに崩れていく方が非常に多いです。自分から伝えられる、相談質問できることが非常に大事なことです。
イ)それはどうやって気が付けますか?
松島)話をしながらメモをとることを例にすると、マルチタスクが苦手な人は、話は耳で聞いているけど同時に処理ができないためメモが全く取れない。などです。
イ)あらかじめ苦手を把握しておいて、実践でより苦手が分かるようにあえて体験して、再認識するわけですね。
松島)工夫して対処できる場合もあるし、IT活用で補えることもあります。
例えば、メモ取りができないのであれば、アプリでタスク化したり、音声録音してあとで音声を聞き直すことも一つの対処法です。工夫次第なので、そこまでを含めて指導しています。
現場でスマホが出せないなら、スマートウォッチで音声録音して後で聞き直すこともできます。
例えば、予定や持ち物を忘れがちな訓練生には、予定を通知してもらえるよう事前に登録する習慣作りを指導し、自動で通知を受けとることで忘れ物を減らすなどもIT活用ですね。
イ)障がい手帳(精神障がい者保健福祉手帳や療育手帳)に書かれている内容や特性と、ここで実際に実習して新たに気が付いたことはありますか?
松島)よくあるのは、精神を患った方が自分には発達障がいの特性はないと思われがちなのですが、実はグレーゾーンの方が多くいらっしゃいます。
作業したり話を聞いているとストレス耐性がないだけではなくて、コミュニケーションが苦手なことが分かります。
またホウレンソウ(報告・連絡・相談)が苦手とか、いろいろな気づきが出てきます。
イ)それらに気付くため支援員が工夫されていることはありますか?
松島)アセスメントをして、ご本人が気付いている点を確認します。そして本人が気付いていない点を周りの支援員が見守り確認します。
また訓練生同士で関わることで見えてくるものもあります。
そこで日々のケア記録をとることで、課題や良い部分も見させていただきます。 就労準備性のピラミッド(注1)をご存知でしょうか。
仕事をする上で一番ベースになるのは健康管理であり、体力作りになります。
就労準備性ピラミッドの土台の部分です。 ここがしっかり整っていることが、仕事を長く続ける条件になります。
そこでまず体調管理・健康管理からスタートします。ストレスマネジメントもそうです。
一定期間休職していた人や引き籠りだった人がココトモカレッジに通所します。外に出ること自体久しぶりで電車に乗るのも不安ですし、通うこと自体も相当な体力を必要とするので、まずは健康管理からスタートすることになります。
イ)健康管理からスタートされる方は通所されていますか?
松島)多くの方は健康管理からスタートします。訓練時間は一日4時間でフルタイムではありません。フルタイムを想定したら倍の時間を働くことになりますから体力強化は課題です。先程見ていただいた就労準備性ピラミッドの土台の部分がとても大事になりますね。
イ)電車に乗ってくる、そのこと自体も訓練になるのですね。
松島)そうですね。通勤訓練になります。 実際には9時始業の勤め先が多い中で、ここは開所時間が11時です。一般の就労支援でも10時始まりが多いです。
ピーク時間とずれがあるので実際に働きだしたら、満員電車がストレスになることもあります。
イ)でも逆に負荷にならないようにあえて時間をずらしているのですね。
松島)就労が近づいてきたら、少し早めに通所するなどある程度自分に負荷をかけていく工夫が必要になります。
イ)それが、就労準備性ピラミッドの「生活リズム・日常生活」の部分ですね。 無事にフロイデに来ることができる人が、次の製造などに関わることができるのですね。
松島)はい。土台が整っていない段階で実習に入ってしまうと、疲れのピークがさらにきてしまい、そこからまた崩れてしまう恐れがあります。
イ)実習生が就労準備性ピラミッドのどの段階にいるかを見ながら、できることを探っていくのですね。
松島)ピラミッドは完璧でなく凸凹でもよいのですが、土台の部分はすごく大事になります。
この犬山まで通所する皆さんは1時間または1時間半かけて来ているので、相当な負荷がかかっているので体力強化にもなっています。
イ)フロイデ店の業務を行う実習生はどのくらいいますか?
松島)実習に入られているのは、現在2人です。
(注1)就労準備性(職業準備性)とは、障がいの有無に関わらず働く上で必要とされる、働くことについての理解・生活習慣・作業遂行能力や対人関係のスキルなどの基礎的な能力のことです。働き続けるためには「健康管理」「日常生活管理」「対人技能」「基本労働習慣」「職業適性」という5つの資質が必要とされています。「職業準備性ピラミッド」は、この5つの項目を階層で並べたものです。ピラミッドの一番下から順にしっかりと備わっていないと、働き続けることが難しいとされています。
イ)2人以外の人は、まず「ここに来る」こと。あとは「技能の習得」などの基本作業を行い、その中で2人は訓練の体験が出来ているのですね。実習について教えてください。。
松島)外部実習に行く場合、企業様の都合もあるのですごくハードルが高くなります。フロイデ店であれば毎日「自分は、今日は実習できる」と思えば、いつでも実習に参加できる場なので、気軽に実習体験ができる良い環境だと思います。
イ)徒歩0分の実習の場ですね。
松島)中で訓練をしながら、すぐに実習に入れますし、支援員がすぐ近くにいます。
外部に実習に行くと支援員がいないので、不安が大きいと思います。
イ)支援員もカレッジのスタッフもいるし、普段の慣れた環境の中で訓練に望むことができるので、実習のハードルが低くなりますね。
松島)はい。実習参加のハードルが低くなります。
実際に外部の実習もあるのですが、企業様だけでなくハローワーク等との書類のやり取りや実習報告等で参加までに時間を要するので、このようなステップを少しでも省きながら身近で実習ができる良い環境ができました。
イ)常に見ていられるし、振り返りもしやすいですね。
松島)犬山であればカフェだけでなくココトモファームの店舗があります。店舗ごとに提供する品が異なりますし、働くスタッフも違えば関わり方も違ってくるので、そこならではのコミュニケーションで気づきも生まれます。
また接客販売だけでなく、加工製造の二次産業も体験できます。
イ)9月オープンから一か月が経ちましたが、実習した2人の方に変化など成長ポイントはありましたか?
松島)今の段階ではまだですが、外に出る機会が増えました。
庭の草取りやプランターで野菜を栽培するなど、身体を動かす作業も取り入れました。
ウォーキングもかねて近くの広場で身体作りを行っています。
イ)都市部と違い、成長以外に気持ちの変化とかはありませんか?
松島)体力面では金山にあったときよりも体力がついていると思います。今日も農業体験をしました。外に出る機会が増えれば増えるほど体力は付きますね。
イ)農業実習はどんなことをされていますか?
松島)秋は稲刈りです。 コンバイン(機械)の刈り残しを、実習生が鎌で刈り取ります。メインはお米作りなので、稲を収穫し、その稲を乾燥させて籾摺りしたりもします。
今は野菜づくりのための土作りをしていますね。
イ)ここに来る訓練生は、農業体験があることを知って来られていますか?
松島)はい。農業体験もできることを魅力として来られる方が多いです。 カリキュラムとして農業実習が心身のリフレッシュに良いと言うこともあり、農業体験してみたいと思う方が来られています。
一年中はできませんが、スポット的に5、6月には田植え、植樹した桜の葉を積む。
果樹園作りスタートしてブルーベリーも育てています。畑もあるので野菜も育てています。
イ)土を触るのは良いことですね。
松島)農業セラピーはリフレッシュになりますね。
大きな池を目の前にお昼ご飯を食べながら開放的な時間を過ごしたりもします。午前中から太陽に当たることで幸せホルモンのセロトニンが分泌されますし、疲れから夜はぐっすり眠れるので、良い生活リズムを作ることにもつながります。
農業は自然とコミュニケーションが生まれるのもいいですね。
イ)コミュニケーションはココトモファームのスタッフですか?
松島)それもあるし、農業指導員の方や近所の農家さんとのふれあいもあります。
何気ない世間話の中で自分のことを自己開示(注2)し、自分の枠をどんどん広げながら開示していくことで、自分では気付かなかった他者から見た自分の理解が広がる。そこで自分の魅力を外部から得ることができます。
イ)カフェは就職したあとも立ち寄りやすいですね。
松島)卒業生も顔をだしてくれます。家族とも遊びに来てくれます。ココトモファームの企業理念である ~ココでトモダチになろう~ が生きていますね。
(注2)ジョハリのまど(英語: Johari window)自分をどのように自己開示するかという、コミュニケーションにおける自己の公開とコミュニケーションの円滑な進め方を考えるために提案された考え方。
イ)最後におすすめ商品の紹介をお願いします。
松島)フロイデ店の目玉商品は、新商品の「ライスバーガー」です。
お米の新しい可能性を知っていただけると思いますので、愛知県犬山市にお越しの際はぜひココトモカフェ フロイデ店にお立ち寄りください!
■ ココトモカフェ フロイデ店 ■
住所:愛知県犬山市松本町4丁目21番地 フロイデ地下1階
営業時間:10:00~17:00(LO.16:30)
年中無休(12/28~1/3を除く)
※ 就労支援ココトモカレッジは、安心して働ける居場所づくりとして2023年夏の就労継続支援B型の開所に向け準備を進めております。一人ひとりの特性を特技としてやりがいを持っていただける様々な仕事を提供していく予定です。
放課後等デイサービス等の利用者様の将来の支援に課題を感じている事業者様に向けた
『子どもたちの未来をつくる』放課後等デイサービスから就労までの取り組み
をご紹介するセミナーが開催されます。
■ 日時:2022.12.23 (金) 10:30~12:30
■ 定員:100名
■ 参加料金:無料
■ 講師:齋藤 秀一 株式会社ネットアーツ 代表取締役、株式会社まなぶ取締役会長、株式会社ココトモファーム 代表取締役
■ 会 場:オンライン会議システムZoomを使用します
入室方法については、お申し込み後メールでお知らせいたします
※ 内容・時間については変更の可能性がございます。予めご了承ください。
※ 申込者多数の場合は受付順で人数を制限させていただく場合がございます。予めご了承ください。
HUGでは放課後等デイサービスを運営している事業者様の為に成長療育支援システムを開発しています。
書類作成や日々の記録業務の他、保護者様と子どもたちの情報の共有する機能など施設運営に役立つ機能が満載です。
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