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2021/10/13
放課後等デイサービス事例インタビュー
福井県敦賀市で放課後等デイサービス・相談支援事業・障害児相談支援事業を行う、一般社団法人つるが福祉会様にお話を伺いました。
施設を立ち上げるきっかけとなった経験や日々の活動内容、相談支援専門員の目線から見た放課後等デイサービスの未来、法人としての今後の目標について詳しくお話を聞くことができました。
インタビュアー(以下:イ)はじめに施設の概要について教えてください。
神園様(以下:神園)福井県敦賀市にて、放課後等デイサービス・相談支援事業・障害児相談支援事業と3つの事業を行っています。今年(2021年)の4月1日には、放課後等デイサービス「こども発達支援ルームぷらすup」を開所しました。
現在は小学校1年生の子が多く通っていて、全体の4割を占めています。 その他は中学生以上のお子さんが3割いて、残りの3割は小学校高学年のお子さんという割合です。
イ)普段はどのような活動をされていますか?
神園)当施設では、年齢や目的に合わせた2種類の活動を行っています。
まず1つ目は、A型事業所やB型事業所で行っているような中高生以上のお子さんに対する将来の就業に向けた活動です。
施設の中にはさまざまなことにチャレンジするためのTルームと呼んでいる部屋があるのですが、そこで作業的な活動など将来の就業につながるような療育に取り組んでいます。
手先の作業だけでなく基本的なあいさつや返事、自分達が困っていることの相談や報告をするなど、社会人として働くために必要な力を身に付けていく活動です。
そして2つ目は、小さなお子さんに向けた運動療育や自立支援の活動を行っています。
体を動かせる環境づくりにも力を入れていて、施設内のホールでトランポリンやバランスボールや踏み台昇降などの軽運動をしたり、一輪車や竹馬などを使った昔ながらの遊びをしたり、施設の前にある公園や体育館で遊んだりもしています。
それとプログラムには静と動のバランスを重視していて、机に向かう学習の時間も活動の中に取り入れています。
また、週に1度は自分達の食べるおやつを地域のスーパーや駄菓子屋さんに買いに行く、というイベントも行っています。
自分達が食べるおやつを自分達で買ったり、決まった金額の中でやりくりしたりすることにより自立心を育てるだけでなく、地域と積極的に関わることが子ども達にとっての良い刺激になっているのではないでしょうか。
イ)いろいろな活動をされていますね。特に子ども達から好評な活動はありましたか?
神園)やはり夏場のプール活動は、小学校低学年の子だけでなく中高生の子たちにも人気がありました。
うちの施設の一角にはちょっとした庭があって、もともと生えていた木を全部切り倒して下に人工芝生を敷き、大きめのプールを2つ置いて簡易プールを作ったんです。
夏休みの間はほぼ毎日そのプールに水を張り、希望するお子さんにプール活動を行っていました。
とはいえ、活動中に水の事故が起こらないよう水を浅めに張ったり、最近はコロナの関係もあるので一度に入るのは3人程度で調整したりと、今はさまざまな配慮が必要ですよね。
また、せっかくなので雰囲気づくりにもこだわっていました。
夏らしい海の家のような感じにしたくて「よしず」を立て掛けたり、最新の音楽をスピーカーで流したりして。
もともと私自身が海の家で働いた経験があるので、そういう雰囲気が好きなんです。
イ)とても良い感じですね。安全面に配慮するだけでなく雰囲気づくりにもこだわっていて、活動を楽しみにしているお子さんも多いのではないですか?
神園)そうですね。来てすぐに「プール!プール!」とはしゃいだり、プール活動を楽しみに来てくれているお子さんもいました。
人の顔には当てないというルールを守りながら水鉄砲で遊んだりと、少人数制ですが良い活動の一つになったと感じています。
イ)4月に開所されてまだ半年程ですが、非常にしっかりとしたプログラムをご用意されていますね。さまざまな年齢のお子さんが通われていますが、同じ時間帯に利用している異年齢の子と関わり合うこともありますか?
神園)この辺りの地域柄といいますか、福井県では両親が共働きをしているご家庭が非常に多くいらっしゃいます。
共働きだとどうしても「療育してほしい。」という目的だけでなく「学校終わってお父さんやお母さんの仕事が終わるまで預かってほしい。」というニーズも高いですね。
そのため、ほとんどの年齢の子が学校が終わってから夕方17時00分頃から30分までの時間で施設を利用しています。
しかし年齢が違うと活動の内容も若干違うので、基本的には個別化していてあまり交流の機会はないかもしれません。
特に今はコロナ禍もあって意識的に活動の部屋を分けて過ごすことが多いです。
他の子ども達と接触しないよう学校ごとに部屋を区切ったり、職員を固定したりすることでコロナの感染対策を行っています。
活動の内容が制約される面もありますが、やはり緊急事態宣言が出ている期間は具体的な感染対策をしながら活動することが求められるので…。
イ)コロナ対策も重要ですよね。ちなみに普段の活動を行う中での静と動、学習と運動のスイッチを切り替えるために工夫していることや、子ども達の気持ちを切り替える上で大変なことなどはありますか?
神園)やはり気持ちを切り替えるスイッチは一人ひとり違うので、そこの難しさは感じています。
その日の活動内容を事前に伝えたり、写真や絵や文字などを使って分かりやすくスケジューリングしたりと、その子が切り替えをしやすいように見通しを立てて活動を行うように工夫しています。
それでも切り替えが難しい子はいますので、そのときはエクスカリバーですよね。
その子の好きなおもちゃを買ってくるなどして…。
イ)その子の特性や性格や年齢などに応じて支援をしていらっしゃるということですね。
神園)そうですね。最後は先ほどもお伝えしたエクスカリバーを出して、「コレとコレが出来たらアレを一緒にやろうね。」と報酬を目標にして、その子が気持ちを切り替えるきっかけを作っています。
イ)目標があるとそこに向かってがんばれるのは、大人も子どもも一緒ですね。もともと放課後等デイサービスを立ち上げることになったきっかけは何ですか?
神園)以前、私は知的障害のある方の入通所更生施設で生活支援員やサービス管理責任者として働いていました。そこで8年間働いたのち、会社の人事で相談支援事業所へ異動して相談支援専門員を8年間経験しています。
合わせて16年もの間、障害に携わる仕事をしてきたという経緯がきっかけとしては大きいですね。
さらに私の背景をお伝えすると、私には妹がいて重度の知的障害があったことから障害福祉へ関心を持つようになりました。
その後福祉系の学校を卒業し、いろいろなことを知るうちに「こういうのがあるといいな、こういうのができるともっと良くなるんじゃないか。」と常々感じながら過ごしていたということもあります。
一方で、私の母親が15年ほど実家で託児所を営んでいたんです。
認可外保育施設だったのですが、そこには健常の子や心配事のある子、少し貧困なご家庭の子などが通っていて、さまざまなお子さんと触れ合う機会がありました。
今の敦賀市という地域の中で「自分たちが貢献できることはないか?」と考えたときに、これまでの経験や16年間あたためてきた思いを開花させた、というのが開所に至った経緯です。
イ)もともとご兄妹の事情や、ご実家が営む託児所で子ども達と触れ合う機会があったことで、福祉の方で貢献したいという思いが生まれたのですね。
神園)はい。それと相談支援専門員をしていると、A型就労やB型、一般企業での障害者雇用に関する相談をお受けすることがあるのですが、将来の働くことを見据えたときに「小学校1年生から高校3年生までの間にもっとやれることがあるんじゃないか?」と考えていたのも理由の一つです。
相談支援では20歳以上の方たちと関わることが多く、お話していく中で「もう少し学童期に何かしらできていればこの方の将来は少し違ってたんじゃないかな?」と思うことが多々ありました。
高校3年生までの関わり方がいかにその後の人生を左右するかというのをひしひしと感じ、そこに携わりたいと考えたのもあります。
イ)相談支援として対応されていた際は子ども達よりも成人の方が多かったのですね。
神園)その通りです。
子どもの頃から「将来の働く」を見据えた療育を行える環境があると良いなと思っても、実際はそうした施設が近隣にあまり多くないのが実状だったので、「それならば自分たちで作ろう!」と思い開所を決意しました。
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