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2021/06/25
放課後等デイサービス事例インタビュー
愛知県刈谷市、安城市にてNPO法人として多様な事業所を運営している、特定非営利活動法人くるくる様にお話を伺いました。ホームヘルプから始まり、さまざまな活動へと拡充していった背景や現在行っているサービスの内容、HUGを導入するきっかけとなった課題点や法人としての今後の展望について、管理部マネージャーの稲垣様にじっくりとお話を聞くことができました。
インタビュアー(以下:イ)まずは運営する施設について教えてください。
稲垣様(以下:稲垣)愛知県の刈谷市、安城市にて、放課後等デイサービスや就労移行支援・就労継続支援B型、自立訓練、通信制高校補習センターといった、さまざまな障がい者施設を運営しています。
平成16年に設立しホームヘルプから始まり、その次に放課後等デイサービスを開所し、通所されるお子様の成長に合わせて就職支援や生活介護の事業所が一つずつ増えていきました。
当時はこの地域に福祉の施設がなかったこともあり、「お子様が成長した先の受け口を作りたい」という思いから今の形態になっています。
イ)現在は放課後等デイサービスとして5施設ありますね。
稲垣)今運営しているのは、個性発展型の『まなくる』、心身育成型の『ふぃっとくる』、就労準備型の『J-くる(ジェイクル)』という3つのタイプの放課後等デイサービスで、合わせて5施設あります。
『まなくる』は個別塾のようなイメージで、お子様に合わせた授業の内容や教材を用意してマンツーマンで指導を行います。
基本的には国語や算数といった基礎の部分をしっかりと習得できるようプログラムを組んでいますが、時計の見方やお買い物の仕方、最近では英語なども取り入れています。
『ふぃっとくる』は運動に特化したクラスで、体を動かして心身のバランスを整えることが目的です。
集団療育も取り入れていますので、集団行動を学べるような内容になっています。
いつも運動をした後に学習を行うのですが、やはり体を動かした後は集中力が高まるのか「最初は多動で座っていられなかったお子様が座って授業が受けられるようになった」という事例もあります。
イ)どれくらいの学年のお子さんが利用されていますか?
稲垣)小学校1年生から高校生までさまざまな学年のお子様が通っていますが、最近は「小学生に上がったので利用させたい」と希望される方も多いですね。大体週に1回、1時間程度の授業を行っているので、曜日を変えて『まなくる』と『ふぃっとくる』の両方に通われる方もいらっしゃいます。
個別にしっかりと学び、基礎力がついているので、その先の伸びがとても良いです。
イ)『J-くる(ジェイクル)』は就労準備型ということなので中高生のお子さんが多いですか?
稲垣)初めは高校生がメインだったのですが、今は中学生も利用しています。
基本的な内容としては、実際に仕事に就いた際に必要となることを出来るようにするためのトレーニングを行いますが、もともと知的障害のある方が多かったので、そういったカリキュラムが充実しています。
土日は1コマの時間が長いので、集中力を保てるようなトレーニングや、電車に乗って目的地に行くというような体験型のトレーニングなども取り入れています。
あとは、就労移行支援で行っているような作業をコンパクトにして取り入れてみたり、パソコンのスキルアップを図ったりすることもありますし、生活していく上で身に付けるスキルとしてみんなで料理をするイベントなどもあります。
以前、私が現場にいた頃は大手の会社に企業見学として行かせてもらったこともありました。
イ)利用者の方にとって学べることが非常に多いですね。
稲垣)就労移行支援を始めてみて、「就労前の学齢期にどのくらい就労に対する意識が高まっているか?」や、「どれだけのスキルが身に付いているか?」ということが重要だと痛感したんです。
それならば、早い段階から意識やスキルを強化できるような場所があった方がお子様にとって良いのではないか?という思いから、『J-くる(ジェイクル)』が始まりました。
イ)小さな頃から経験を積んで就労準備に移っていく方が、出来ることも増えるし選択肢が広がりますね。
稲垣)そう、確実に違うと思うんです。
当法人には『障害者就業・生活支援センター』もありますが、利用されている方の中には障害があることを隠されていた方々もいらっしゃいます。
そういう方達も、小さい頃からきちんと自分に合った支援を受けて成長できれば、もっといろいろなことが出来たのではないか?と感じる場面を目にします。
「ただやり方がわからないだけ」のことというのは案外たくさんあると思うので、それを早くから身に付けるトレーニングを受けることがとても重要なのです。
イ)『障害者就業・生活支援センター』とは、どのようなところですか?
稲垣)『障害者就業・生活支援センター』は、各エリアでハローワークの出先のような立ち位置にある公的な機関です。
愛知県には12か所ありまして、各エリアごとに分かれて担当しています。
例えば、障害のある方が就職する際に福祉機関が付いていなければいけないという場合は、まず当センターに登録してもらい、企業と障害のある方との橋渡しとして真ん中に立ち双方をサポートしていくような形です。
イ)『通信制高校補習センター』も運営されていると拝見しました。
稲垣)『明蓬館STEC(ステック)愛知』という高等教育部の学校ですね。
中学生までは通える場所が用意されているけど、高校生になるとどうしても「通える場所がない、やりたいことがやれない」と感じてしまうお子様が多くいらっしゃいます。
そうしたお子様が通える居場所や、学習サポートや自立サポートを受けられる場所として、安心して利用してもらえるように開校しています。
心理士もいますので、検査や相談をすることも可能です。
通常の授業は基本的なカリキュラムがあり、パソコンを使って学んでいく形ですが、それとは別に何か一つのことについて課題を持って取り組むような自由課題の時間も取り入れています。
つい最近この学校を卒業したお子様が、「ここで学んだことが力になった、通って良かった!」と言ってくれて、とても嬉しかったです。
イ)どのような企業様に就職される方が多いですか?
稲垣)大手の薬局や小売店、市役所関係、工場など、いろいろなところに就職しています。
この辺りは地域的にトヨタ関係の工場が多いですが、工場の業務は難しい方もいらっしゃるので、慎重な判断が必要です。
無理に合わないところを紹介して結局続かなかったということを防ぐため、求人をスタッフが探してきたら「誰ならこの会社に合うかな?」という風に、企業側が求めているレベルに合っているかを見ながら、その方の特性に合った就職先をマッチングしていきます。
あとは、トライアルや実習など、実際に体験してから判断する場合もあります。
イ)実習があると経験や適正が自分の中でもわかるので良いですね。
稲垣)これは余談ですが、就労関係のセミナーに行ったときに聞いた話で「実習に4社以上参加した方のほうが実際に就職した後の定着率が断然いい」というデータがあるそうです。いろいろ体験するって大事なんだな、と思いました。
多分4社も行くと何となく自身の特性も掴めてくると思うので、自分にはどんな雰囲気の会社が合っているのかが分かってくる、という理由もあるかもしれませんね。
>>【後編】HUGは多様な支援システムを円滑にする最強ツールになりました【特定非営利活動法人くるくる様】
弊社が提供している「HUG」は放課後等デイサービス運営会社が開発したソフトウェアです。
請求業務はもちろん、個別支援計画やサービス提供記録の作成から管理も簡単に行えます。
実際にHUGをご利用いただいている放課後等デイサービス事業者様の感想をご紹介していますので、請求ソフトや管理システムの導入を検討されている方はご参考くださいませ。
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