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2021/05/04
羽田野ふきこ先生の子育てコラム
こんにちは。
元小学校教師で子育てアドバイザーの羽田野ふきこです。
野山には色とりどりの花が咲き乱れ、新緑の美しさが目に染みる季節になりました。
胸膨らませて進級・進学した子どもたちも、新しい教室や先生、クラスの友達や学校生活に慣れてきた頃でしょうか。
新しい環境に慣れるまでの一か月間は、緊張感の連続だったことと思います。
みんなよくがんばりました。
がんばった自分をほめてあげてほしいと思います。
子どもたちは、大人が思っている以上にがんばっています。
保護者の方やスタッフの方も、がんばった子どもたちを労ってあげてください。
子どもたちの張り詰めた糸は、このゴールデンウイークで一気に切れます。
そして、連休明けに体調不良や不登校になって現れるケースがみられます。
子どものサインの出し方は様々ですが、私が経験した中でよく見られたのは、
「腹痛や頭痛」
「足が痛い」
「病院で薬を処方してもらうが、症状が治らない」
「朝が起きられなくなる」
「食欲がない」
「だるい」
「学校の準備をすると涙が出る」
「怒りっぽくなる」
「みんなと登校をしたがらなくなる」
「なんとなく元気がない」
「表情が暗い」
などといったケースがありました。
こんなとき、お子さんを無理に学校へ連れて来られる保護者の方もいました。
なぜなら、子どもは学校に来てしまえば、普段通りまたがんばるからです。
しかしここで考えていただきたいことは、これが子どもの怠け心ではなく「SOS」であるということです。
4月の緊張感からくる疲れかもしれかもしれません。
身近な人との関係からくるストレスかもしれません。
ただ、一つ言えることは、子どもたち自身にも分からないということです。
サインが出たときは、「無理をしない・させない」「子どものサインに蓋をしない」ことです。
そして、そのサインを見過ごさないためにも、保護者や先生、放課後等デイサービスのスタッフの方々で、引き続き子どもたちの体調管理に気を配っていただきたいと思います。
さて、5月といえば家庭訪問の時期でもあります。
私が教師をしている頃は、子どもたちが「私の家は、この道をこう行って曲がって…それでね。赤い屋根のおうちなの」と地図を書いて嬉しそうに説明してくれたり、「ぼくの家はここだよ」と書かれた手作りのプラカードを手に玄関で待っていてくれたり…、子どもたちの可愛らしく微笑ましいエピソードを思い出します。
最近では、家を確認するだけ…という家庭訪問もあると聞きましたが、私の教師時代は各家庭を訪問して、子どもの家庭での様子やこの1年間の願う姿を伺ったり、学校での様子や伸ばしていきたいことを伝えたりすることが主な内容でした。
会話の中で必ず出てくるのが、「お子さんの悩み」です。
お母さんは日々、子どもと接する中で、上手くいかないことやこうしてほしいことなど、問題や課題をたくさん抱えています。
例えば、低学年ですと「落ち着きがない」「勉強に集中できない」「忘れ物が多い」「時間割を合わせられない」といった相談から、高学年になると「友達関係」「勉強の仕方」「反抗期」「ゲームなどで寝るのが遅くなり朝が起きられないといった生活習慣の乱れ」などの相談がありました。
そこで、今回は家庭訪問や面談などで保護者の方に悩みを相談されたときの「会話のポイント」について、低学年の宿題を例にお伝えしたいと思います。
会話のポイント(1)
共感的な姿勢:相手の気持ちや考えを理解し寄り添う
母:「落ち着いて勉強ができないので、このままでいいのかと不安です」
私:「不安に感じていらっしゃるんですね」
※「不安なんですか?」と聞くのは、「私には分からない」
というメッセージを含んでいるため避けましょう。
母:「見てるとイライラして口うるさく言ってしまいます」
私:「そうなんですね。」
※「お母さんはそう思っているんですね」と気持ちに寄り添う
会話のポイント(2)
現状を聞く:その時の状況や行動に対して詳しく聞く
私:「そのような気持ちになるのは、どのようなときですか?」
母:「字がすごく乱雑で読めなかったり、やり出したかと思うと他ごとをし出したりして集中しないんです」
私:「これまで、お母さんはどんなふうにしてきましたか?」
※さらに詳しく聞いていく
母:「宿題をきちんとやってから遊ぶように声をかけてきました」
私:「少しの間でも集中してできたことはありますか?」
母:「がんばって書いた文字を見つけてほめてあげたとき、嬉しそうにがんばって書いていました」
私:「反対に集中できないときって、どんなときだと思いますか?」
母:「お友達と遊ぶ約束をしているときは集中できません」
※相談者の気持ちや考え、行動などを含めて、その時の状況をいろんな角度から振り返る
会話のポイント(3)
ゴールセッティング:目指す姿を聞く
私:「お子さんがどうなっていたらいいですか?」
母:「もう少し集中力がつくとよいと思います」
私:「具体的にはどのような状態ですか」
※保護者に具体的にイメージしてもらう
母:「短い時間から出いいので、まず10分間、集中して取り組めるようになったらいいです」
会話のポイント(4)
スモールステップ:ゴールに近づくためにできる具体的な一歩を考える
私:「そのためにどんなことができそうですか?」
母:「タイマーを使ってやってみます」
私:「他にはどうですか」
※保護者ができる行動をいくつか考えてもらう
母:「落ち着いてできる時間帯や場所を一緒に考えて決めたいと思います」
「10分間集中出来たら、シールを貼って行こうと思います」
私:「すぐにできそうなことは何ですか?」
「まず何から始めますか?」
※スモールステップでできることから行ってもらう
以上、会話の流れに沿って大きく4つのポイントについてお伝えしました。
注意点としては、相談を受けたとき、問題の解決者は保護者であるということを忘れてはいけません。
私たちは、保護者が現実に目を向け、“自分事”ととして何ができるか…一緒に考えていきます。
そして、保護者が「少しでもやってみようかな」と思ってもらえるよう、サポートをしていきます。
そのためにも、こちらの考えを押し付けません。
但しアドバイスを求められれば、
「こんな考え方もありますよ」
「こんなこともできますよ」
「学校ではこんなふうに取り組んでいますよ」
と情報を提供したり提案したりすることはできます。
「学校と家庭」「放課後等デイサービスと家庭」が、それぞれの立場で共に連携を取りながら子どもたちの幸せの形に向かって取り組んでいくことが、子どもたちの自立につながっていくと思います。
ぜひ、教育現場で役立てていただきたいと思います。
(最後までお読みくださり、ありがとうございました。)
同じ出来事に出合っても、そのときに感じる感情や行動は人それぞれ違います。
例えば、思うようにならない子どもに対し、ある人は不安になって悩んだり、ある人は怒り腹を立て思うようにしようと子どもと戦ってみたり、ある人は出来事を客観的に見つめ、自分に何ができるかを考えたり…。
感情や行動は、その出来事の受け止め方によって変わってきます。
そして、その受け止め方は「自分特有の受け止め方(パターンや癖)」で出来事を見ていることがわかります。
ですから、出来事を見るとき“現実をしっかりと見つめる目と柔軟な思考”が必要なのです。
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子育てアドバイザー:羽田野富喜子(はたのふきこ)
○元小学校教諭・幼稚園教諭
○人財教育サポーター
○ハートフルコーチ
○NLPエグゼクティブトレーニング修了
○ソリューション・フォーカス・アプローチセミナー修了
■講師プロフィール
教師生活33年(内、特別支援学級3年)。一貫して教育の仕事に携わる。
学級崩壊したクラスを立て直すなど、「自己肯定感を育む学級と感動ある授業の創造」を目ざして実践。
3,000人以上の親子と関わる。
日々、子ども達の課題と向き合う中で、「子どもを幸せに導くためには、母親が幸せになること」と考えるようになり、子どもと接する傍ら母親の悩みを聞くサポートを続ける。
2014年3月に教師を早期退職。
2014年4月に退職した学校の母親達とともに「キラキラ生きる親の会」を結成。それまで学んでいた心理学やコーチングをベースに母親達と勉強会を行う。やがて子育てワークショップやペアトレ講座、個人相談をスタート。育児が楽になったと好評を得、口コミで広がる。
他にも教員研修、企業研修、企業向け個人相談など活動を広げ、“親子で幸せに生きる・一人一人が輝く社会の実現”を目ざし活動を続けている。
■活動内容
○子育てがもっとラクになる!子育てワークショップ
○ペアレントトレーニン講座
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○グループコーチング(グループセッション)
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