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2021/04/15
放課後等デイサービス 報酬改定2021
みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!
先日のはぐめいとでは、『【令和3年法改正】2021年報酬改定で変わった児童指導員等配置加算と専門的支援加算について』という記事の中で、「専門的支援加算」についてご紹介いたしました。
今回は放デイラボのYouTubeチャンネルの中で『【令和3年法改正】2021年報酬改定にて専門的支援加算が創設される影響』と題し、今後、専門的支援加算が創設されどのように影響が出てくるのか、介護業界を支える行政書士 小澤信朗先生にわかりやすく解説いただきましたので、その内容をご紹介します。
今回は、令和3年度法改正で「専門的支援加算」が新たに創設されたことにより、今後どのような影響を及ぼすのか、どんな意味が出てくるのかについて、現時点で推測できる内容をお話したいと思います。
「専門的支援加算」で注意してほしいポイントは、放課後等デイサービスの該当する専門職と、児童発達支援の該当する専門職に差があることです。
では、なぜ児童発達支援にだけ5年以上の保育士や児童指導員が認められているのでしょうか。
理由としては、児童発達支援では対象となる未就学児への支援にあたり、特に集団生活への適応や他社との関係性の構築のために専門的で個別的な支援が必要であることから、児童福祉事業で5年以上の経験がある保育士・児童指導員についても、専門職の職種の対象に含む、と記載されています。
そのことから考えられる影響を、放課後等デイサービスと児童発達支援に分けて見ていきましょう。
メリット
専門的支援加算とは、そもそも学校に通わなければ取得できない資格者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、公認心理師など)を配置した際に付く加算です。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、3年間学校に通わなければ取得できませんし、公認心理師に関しては大学院を卒業しないと取得できないという、よりハードルの高い資格になっています。
極端な話、保育士は試験に合格さえすれば資格を取得することができるため、そこまでハードルは高くありませんでした。
しかし今後、学校を卒業して試験に合格した専門職員を配置しなければ「専門的支援加算」を取得できないとなると、非常にハードルが高く、むしろ「専門的支援加算」を取得していることがブランド化してくるのではないかと思われます。
例えば2021年3月まで「児童指導員等加配加算(I)」を取得している場合、ウチには言語聴覚士がいる、理学療法士がいる、とアピールする必要がありましたが、今後は「専門的支援加算」を取得しているだけで『専門性の高い従業者を常勤換算で1以上配置している』ということが証明されます。
専門家が常勤しているという点においても、より信用に繋がっていくかもしれません。
デメリット
専門職から保育士や児童指導員が外れるということは、保育士や児童指導員が継続して就業していく中で、キャリアアップを図ることが極めて困難になります。
なぜなら保育士や児童指導員の延長線上に対象資格があるわけではなく、全く一から学校に通いなおさなければ「専門的支援加算」の対象資格を取得できないからです。
従業者のキャリアアップが難しくなる点については、デメリットと言えます。
アドバイス
放課後等デイサービスの事業者様については、もし可能であれば児童発達支援のサービスも展開することが望ましいと思います。
経営判断な部分もあり、かつ総量規制をかけている自治体も少なくないので簡単ではありませんが、理由は児童発達支援のほうがキャリアを積みやすいからです。
ただし、定員10名の放課後等デイサービスの多機能型おすすめしません。そうではなく、別の訓練室や別のスタッフでの児童発達支援を展開していきましょう。
メリット
児童発達支援は、保育士や児童指導員が対象資格に入っていてキャリアアップを図りやすいのがメリットです。
(例)
児童指導員 ⇒ 保育士 ⇒ 5年以上の実務経験がある保育士(専門的支援加算対象者) ⇒
⇒ 10年以上の実務経験がある保育士(特定処遇改善加算の経験豊富な介護職員)
児童指導員から保育士になるのは、それほど大変なことではありません。
「高卒以上、2年以上360日以上の実務経験」か、もしくは「大卒・短大・専門学校を卒業した」という学歴があれば、保育士の資格を取得できます。
試験を受けて合格すればいい、という試験のみの要件は、非常にスキルアップが図りやすいのです。
そして保育士になった後は、5年以上の実務経験を積めば「専門的支援加算」の対象者となり、10年以上が経てば「特定処遇改善加算」の経験豊富な介護職員へと、着々とキャリアを積んでいけます。キャリアアップを図ることで、お給料もより上がりやすくなり、やりがいにも繋がります。
「専門的加算」は絶対に取得すべき
児童発達支援にとって、「専門的支援加算」は確実に取得すべき加算です。
経験豊富なスタッフ、あるいは専門職のスタッフを配置しているという証拠になり、事業所のブランディングに役立ちます。
これまでの児童指導員等加配加算(II)は、極端にいうと「保育士であれば実務経験が全くなくても対象者」でした。
しかし今回の「専門的支援加算」では、最低でも5年以上のキャリアがある保育士でなければ該当しないため、『経験豊富な専門職員がいる』というブランディングになります。
それでなくとも、児童発達支援を運営するなら経験豊富な保育士や専門職を配置しなければ、そもそも効果的な療育活動や成果を出せるプログラム活動を行うことは現実的に難しいのでは?と、個人的には感じます。
「専門的支援加算」の対象となるキャリア5年以上の保育士や、その他の専門職員を確実に確保し、より専門性を高めていくことで生き残りを図りましょう。
「専門的支援加算」が与える影響としては
⑴事業所のブランディングに繋がること
⑵スタッフのキャリアデザインなどにも影響が出る可能性があること
この二つが大きいように感じます。
児童発達支援はキャリアデザインを描きやすい。
それに対し、放課後等デイサービスはキャリアアップしづらい。
どこかのタイミングで児童発達支援もやっていただく必要があり、それを厚労省側が示唆しているのでは?と思わず感じてしまう専門的支援加算の役割だな、という風に個人的には思いました。
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1977年東京生まれ。東京都中野区で活動する行政書士。
山形大学人文学部4年の時に、知的障害児のための学童保育でボランティアを始めたことをきっかけに、 障害福祉サービスに関するサポート業務をおこなうことが自分のライフワークとなる。
山形大学人文学部を卒業後、介護保険対応総合システムのサポートを経て、 2010年9月に行政書士として独立。
放課後等デイサービスは、東京都の他、青森県や岩手県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、静岡県、愛知県、長野県、三重県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、沖縄県などからも依頼をうけ、開設や運営のコンサルティングや申請代理業務を手掛けている。また開業後、リコージャパン株式会社、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会、パナソニックエイジフリーケアセンター香里園、NDソフトウェア株式会社、新興サービス株式会社、多摩信用金庫、株式会社細田工務店、株式会社エス・エム・エス、株式会社いきいきらいふ、連合福井、杉並区地域包括支援センターケア24西荻、府中市地域包括支援センター安立園など上場企業や地域包括支援センター主催のセミナーで講師として活動するなど幅広い活動をおこなっている行政書士である。
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