放課後等デイサービス業界に
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2017/04/20
放課後等デイサービス事例インタビュー
愛知県西尾市にて放課後等デイサービスを4施設運営されている
株式会社まなぶ様にお話しを伺いました。
放課後等デイサービスを始めたきっかけ、療育にかける思いを
成長療育支援システム「HUG」が生まれた経緯を交えながら
齋藤社長に熱く語って頂きました。
インタビュアー(以下:イ)では、早速インタビューを初めていきたいと思います。
よろしくお願いします。
齋藤社長(以下:齋藤)よろしくお願いします。
イ)まず初めに、株式会社まなぶの会社概要の方をご説明頂けますでしょうか?
齋藤)2015年1月に設立した会社です。
今は放課後等デイサービス単体を3施設、児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型を1施設、計4施設を運営しています。
イ)場所はすべて名古屋ですか?
齋藤)いいえ、愛知県の西尾市です。
名古屋からだと一時間ぐらい離れた割と田舎の方ですね。
イ)2015年からの2年間で4施設というわけですね。
では、今回社長にインタビューをさせて頂いておりますが、社長の放デイ施設における業務内容といいますか…どんなことをされているのかお話頂けますでしょうか?
齋藤)業務としては、全体的な管理です。施設の方針を決めたりですとか、保護者様への説明なども私が行っています。見学対応とかですね。
イ)4施設とも社長がメインで方針を決めたり、保護者様の見学対応をされているということですね?
齋藤)メインは私ですね。あとは補助として八木(株式会社まなぶ 専務取締役)がついてくれています。
イ)では、次に施設の歴史なんですが、なぜ放デイの施設を立ち上げたのか経緯を教えて頂けますでしょうか?
齋藤)私の弟が統合失調症で...現在30歳後半ですが、いまだに社会に出れず自宅に引きこもっているという家庭環境がありました。
弟に障がいがあるということもあって、私の父親がボランティアで障がい者関係の団体の活動をしたりとか、障がい福祉にずっと関わってきたというのがベースにあります。
ただ、一番のきっかけは、まなぶの親会社になる株式会社ネットアーツに、放課後等デイサービス向けのシステムを作って欲しいという依頼があったことです。2014年だったかな。
齋藤)他人ごとではないし社会的にも大切な事業だと感じ、なんとかお役に立ちたいと、それから約一年近くかけてヒアリングをしたり、勉強をしたりしていました。
だけど放課後等デイサービスというもの自体初めて知ったということもあり、いくら業務を教えて頂いても、いまいちピンと来ませんでした。
システムを作るうえで、言われたことをそのまま形にはできるんですが、果たしてこれでお客様や施設に通う子ども達のお役に立てているのかというところまでは自信が持てなかったんです。
齋藤)ただ、色々知っていく中で、日本の人口が減っているにも関わらず、障がいのある子ども達が増えてきているとか、社会的な問題が色々あるとか、そういったこともわかるようになってきまして。
イ)なるほど、齋藤社長には元々障がい支援という業界に関わりがあったわけですね。
でも、放課後等デイサービスにはこの時初めて触れたと。そのあたりが施設の立ち上げに繋がってきていたのですね。
齋藤)決定的なきっかけとなったのが2014年12月に障害福祉施設の忘年会に参加させて頂いたことです。
そこで色々な話を聞きました。表には出ていないが、発達障がいの子どもに虐待の被害が多いとか、ただ子ども達を預かるだけの見守り型の施設がまだまだ多いとか…。
齋藤)そんな中で、指導員の方と実際にお話させて頂く機会があったんですよ。
経営者ではなく実際の業務に携わっている方ですね。
実際の現場の指導員さんの情熱というか、なんとかしてこの子達を自立させていきたいと願う気持ちというか…。
「私の夢は、この子達が大人になって、結婚相手を連れて遊びにきてくれることです。」なんていう話もしてくれたんですね。
この人たちのために本気でお役立ちできるようなことをしようと思ったら、客観的に聞いているだけではダメだなと思い、本気で取り組むなら自分たちでも施設を運営してみなくてはわからないと思いました。
その場で自分も放課後等デイサービスをやりますと宣言して、翌月の2015年の1月にそのための会社(株式会社まなぶ)を立ち上げたというのが実際のリアルな流れです。
イ)放デイのシステム制作を依頼された施設で実際に働いていらっしゃる指導員の方の本気さに触れて、それにしっかり応えられるシステムを作らなければということで、施設を自分たちでもやってみようとなったわけですね。
齋藤)そうですね、はい。
イ)ちなみに、一番最初に放課後等デイサービスのシステムを作って欲しいと言われた時に、どんな形のシステムを頼まれたのかなと思いまして…そちらはいかがですか?
齋藤)一番最初の要件としては、やはり請求がすごく大変だと。
システム開発を依頼してくださった施設様はそもそも複数施設を展開されているところだったものですから…そうなるともうぐちゃぐちゃになってくるんですね、請求が。
毎月修羅場みたいな形で…それをなんとかして欲しいっていうのが一番最初の要件でした。
イ)それは世の中にはそういった請求に対応するシステムはなかったという感じですか?
齋藤)請求するシステムはあるんですけど、当時は介護が主流で障がい福祉に特化したものが少なく、また複数施設だとか、児童の管理に適したものがなかったという感じですね。
イ)なるほど。それでは、2015年1月に1つ目の施設を立ち上げられたということでしたが、立ち上げ時、うまくいったこと、もしくは大変だったことをお聞きしたいです。
まずは大変だったことはなんですか?
齋藤)一番大変だったのは周りからの反発です。
とにかくバッシングがすごかった。というか、変な噂が流れるんですよね。
こちらも一年勉強したうえでの放課後等デイサービス開設だったので、ある程度こうすればいいかなというものは見えてはいたんですよ。
それなりにお金もかけて、ある程度ビジョンがあったんです。
ですので立ち上げの時から割と仕組み的には完成されていました。
齋藤)ただ、障がい福祉から見れば素人同然というか…うちは株式会社じゃないですか、NPOや社会福祉法人でもない株式会社がお金をかけて放課後等デイサービス業界に参入してきて、先生を呼んで特別支援教育の講演会を開いたりとか、目立つことをすることに対して、あまりいい顔をされなかった感じですね…。
齋藤)ココトモに一番最初に届いたメールをいまだに保存してあるんですけど「どこからの、天下りが、やってるんでしょうか?自分達の、プロフィールは、はっきりせず、子供や、保護者をねらって。特別支援って、ほんと、気味が悪い。子供の、生きた精神は、美味しいですか?」という文章が届いたんですね。
もちろん丁重に当社やスタッフの想いをお返事にしたためてお伝えしたのですが、正直つらかったですね。
あることないこと悪い噂が流れたりもして…。
職員が素人ばっかりだとか、人が少ないらしいとか、大声を出すスタッフがいるらしいとか…。
そんなマイナスなイメージが流れるんですよね。
それが当初想定もしなかった部分で…そこが一番苦労した部分ですね。
イ)そうだったんですね…。ちなみに今はそういったバッシングや変な噂とかはありませんか?
齋藤)逆に今はひっくり返った感じですね。今は紹介がものすごく多いです。
学校の先生とか病院の先生とか保護者様からの紹介が主ですね。
もう逆転はしましたね。
イ)マイナスの声がだんだん少なくなってむしろ紹介が増えてきたっていう要因としては、地道な活動っていうところにあるんでしょうか?
齋藤)そうですね、地道な活動もそうですし、実際手探りな中で色々支援についての勉強をしていって…。
預かりだけの施設はダメ、しっかり療育をしていかないと、と偉そうなことを言っておきながら、自分たちも圧倒的に知識不足・経験不足だったんですよね。
齋藤)実際に今でも怒られ続けているので(笑)うちが素晴らしいわけでもなんでもないんですけど、ただ、自分たちができていないところを一度きちんと整理したのがよかったんだと思います。
一番最初にやったのが色々な障がいについての勉強会になるべく積極的に参加して、それを自分で説明できるくらいに系統立てていったことですね。
イ)なるほど。できていないところをきちんと見つめ直して学んでいったところが評価が逆転した要因の一つだったのですね。
イ)続いての質問ですが、施設のビジョンや目指す方向性、たとえばどのような価値を提供したいかなどそういうものがあれば教えてください。
齋藤)施設のビジョンは最終的にはお子さんの自立ですね。
1人で生きていける力をつける。
私の弟もそうなんですが、そこが保護者様の一番の悩みでもありますし、実際に社会に適応できなくて引きこもってしまうケースも増えている。
継続的な支援は必要だとしても、社会の一員として自立できる力を育むことが最終的な目標ですね。
イ)わかりました。そうすると施設としては療育に力をいれていくというこですね。
齋藤)はい。
イ)今の質問にも関わってきますが、まなぶで運営している施設の強みや特徴を聞かせてください。
齋藤)当社に関して言えば、一つの地区に複数の違う種類の施設を建てている所(ドミナント戦略)が他社とは違うところだと思います。
通常は○○市に一つ作って、他の市にもう一つ作るという形で広げていく形が多いかと思いますが、当社は4施設とも15分圏内に立てています。
それぞれが違うカラー(運動型や社会生活訓練型、学習型など)で運営しており、利用される方はその時のお子さんの状態に合わせた施設に通わせることができます。
放デイは10人定員の中で色々な障がいのお子さんを預かり、様々な活動を行うことになります。
もちろんお子様達は十人十色なので一つの施設だとなかなか難しいこともあります。
ココトモの場合、近場に複数施設があるので事前にある程度の療育内容を選ぶことができます。
齋藤)保護者様からすれば、うちの子は学習面の困り感が強いから週に一回は学習支援型に行って、他の日は運動型に通うなど自由に選べるということですね。
施設側からするとカリキュラムがある程度固定されるため運営が楽になるというメリットがあります。
イ)ちなみに自分がどの施設に通わせるべきか選べない保護者の方もいらっしゃると思いますがそのあたりはどうされていますか。
齋藤)まず一番初めにこちらからある程度、おすすめします。施設に慣れるところから始めるためにこの施設から通ってみませんか?など案内することもあります。
あとは定期的に保護者様とお話をしてその中で決めていったりもします。
症状がはっきりしている、例えば多動(ADHD)のお子様で狭い場所でストレスを感じてしまう場合は、広いスペースでのびのび身体を動かせる運動型。
大きな音を聴くとパニックになってしまうお子様の場合は、運動型だと騒がしいため、日常生活訓練型をすすめるとか。
体験や見学は随時募集しています。
イ)見学に来てくださった方が契約を決める割合はどれくらいですか。
齋藤)最初は率が低めでしたが、現在はほぼ100%に近いです。
イ)なぜそこまで率が高いのか要因は何が考えられますか。
齋藤)多様な日々の活動だったり好きな施設を選択できること、それらを見える化したことでしょうか。
そして一番の強みはパンフレットにあると思っています。
齋藤)最初は見開きの簡易的なパンフレットで、それを使って施設のスタッフが保護者の方にご案内をしていました。
ただ、現場は子どもたちの支援がメインなので活動中はあまり説明に時間をかけられないんですね。
どうしても保護者様からの質問の受け答えだけに終始してしまったり、トラブルにならないよう、この施設でできること・できないことをはっきり言わないといけない。
それはそれでとても大事なことなのですが、それに加え将来的なビジョンというか、何を目的にどんなプロセスで支援していくのかということをわかりやすく伝える必要があると思っています。
例えば"自立"と一言でいっても、身辺自立と社会的自立では目的もプロセスも大きく異なるんです。
それをココトモとして何をしていくかきちんとパンフレットを作って案内するようにしました。
放デイを利用するための手順とか、将来自立するために何が必要なのか、どのようなカリキュラムがあるのか、施設が4つあってお子様の状態に合わせて選べるとか。
そしてお子様の成長の記録がホームページで確認できることなどを説明すると、そこまで対応している施設はあまりないため、例えば10日あるうち、他で5日使って5日はココトモで使ってみようなど、全く0という状態は少なくなりました。
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