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2021/03/18
放課後等デイサービス事例インタビュー
東京都八王子市にて放課後等デイサービスを運営されているワイド・リンク株式会社様にお話を伺いました。代表者である廣澤様と管理者の北村様に、施設名に込められた想いや立ち上げにいたるまでの経緯、そして運営していく中で生まれた今後の展望について、じっくりとお聞かせいただきました。
ワイド・リンク株式会社様HP(遊&学Stories)
インタビュアー(以下:イ)まずは施設について教えてください。
廣澤様(以下:廣澤)東京都八王子市で『遊&学Stories』という放課後等デイサービスを運営しています。2020年の9月に北野町クラブとして開所しました。
施設名の由来は「よく遊びよく学べ」ということわざから来ていて、子ども達が〈子どもらしくよく遊びよく学ぶ〉中で、自分たち一人ひとりの物語〈Story〉がそこから生まれていく。それを育んでいけるような居場所にしたい、という思いを込めて名付けられています。
イ)放デイを開業しようと思ったきっかけは何ですか?
廣澤)放デイを始めようと決めたきっかけは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、もともと私の父親が『遊&学塾』という塾を経営していたのですが、家庭の事情や父が高齢になったことで徐々に縮小・衰退しており、いずれは私が引き継ぎたい、と考えていました。
しかし、ただ引き継ぐというわけにもいかないので、新規事業として塾から派生させるサービスがないかと常々探していたのです。
2つ目は、家業を継ぐ意思と同時に、「自分の力で起業したい!」という思いも少なからず感じていました。
「もし自分で起業するならどのようなことをすればいいだろうか?」
そう考えて自分自身の人生を振り返ったときに、これまで大手の介護事業に勤めていた経験も含め、福祉の仕事に興味があると気付いたのです。
「15年のも間、塾経営を通じて父が行ってきた地域の子ども達への支援を絶やしてはいけない。」
「これまで私のやってきたことと、父がやってきたことを生かして、地域や世の中の役に立てないか?」
そう考えていた時期に、放課後等デイサービスの存在を知りました。
そこで『子ども達×福祉』が上手くつながり、まさにこれだ!と着想を得た感じです。
イ)福祉と学習塾を掛け合わせたときに、放デイは確かに良い事業というか、非常にマッチングしていますね。
廣澤)はい。そして実行するにあたっての原動力となったのが、責任者である北村の存在です。
北村はもともと私と同じ大手の介護事業で働く同僚でした。同い年ということもあって親しくしており、たまたま「こういう経緯で放デイの開業を考えている」と話をしたんです。
北村には社会福祉協議会で児童福祉に携わった経験があったので、「2人で力を合わせれば理想の施設が作れるかもしれない」という思いが生まれまして。
そこから具体的に考えてみよう!と行動に移し、今に至ります。
イ)なるほど、お二人は前職からのお付き合いなのですね。開所から半年ほど経ちますが、現在の状況はいかがですか?
廣澤)おかげさまで開所から3か月ほど経った12月の辺りから、お問い合わせやご契約をいただくことが増えました。
今はちょうど年度が入れ替わる時期なので、来年度を見据えて動いています。
新年度が始まればまた新しいお子さんがいらっしゃるので、次年度は定員になる予定です。
イ)とても順調ですね!立ち上げる前の準備期間としては、どのくらい動かれていましたか?
廣澤)準備に動いていた期間で言うと、1年半~2年弱くらいはかかっていると思います。
もともと私が放デイを知ったのが2019年の初め頃で、最初は他の事業も候補として検討していたため、どうしようか悩んでいる時期もありました。そのくらいの時期に北村とも相談をしていて、開所を決意して具体的に動くことになったのは2019年の夏頃だったと思います。
始めは何から手を付けていいか分からなかったので、放デイの開業コンサルを行っている会社にお話を聞きにいきました。
イ)実際に開所へ向けて動き始めてからは、どのようなことが大変でしたか?
廣澤)実際に動き出してみて時間がかかったのは物件ですね(笑)やはり物件探しが1番大変でした。
もともと立川市で開業したかったので立川市で物件を探していましたが、なかなか良い物件がなく、東京都の指針で検査済証などがきちんとないと認めていただけない状況もあり……。
不動産屋さんも「他にも問い合わせは来るけれど、検査済証が無いことがネックだ」と。しっかりと証書が揃っている物件を探したり、それに代わる法令を調べたりもしたのですが、なにせ費用がかかってしまうのでマッチングが難しかったですね。
イ)そうした理由から決まるまでに時間がかかったのですね。
廣澤)はい。正直、初めはお恥ずかしながら楽観視していました(笑)すぐ見つかるだろう、って。
しかも、1階で探していたのですが全然無くて「では2階まで範囲を広げてみよう!」と考えましたがそれでも無くて。やっと見つかっても繁華街の裏手とか、子ども達にとって良い場所というのはなかなか見つからなかったです。
途中からは一軒家にも範囲を広げて探してみたのですが、やはり建築基準的に難しい物件が多くて。
イ)最終的に八王子市が候補に挙がったのですか?
廣澤)実は他にもいくつか問題点がありまして。
2019年夏から動き始めたけど物件が見つからないまま2020年に突入してしまい、焦りがでてきたことも大きな要因です。
東京都で開所するには協議説明会へ参加しないといけないのですが、その開催予定が4月だったんです。『4月に参加して8月に開所』というスケジュールが最短でした。
自治体としては「4か月前には物件も含めてきちんと準備しといてくださいね」ということなので、これでは間に合わないな、と思って。
そうこうしているうちに3月になり、コロナ感染症が出始めたのと緊急事態宣言で、協議説明会自体が延期になったんです。
物件の候補はいくつか見つかっていたのですが、会議が実施されないとどのみち開業は出来ませんから。
その時点では説明会が延期なのか中止なのかすらも分からなかったので、このままではまずいな、と。
そしたら、中核市である八王子市でなら独自で指定がとれる、ということを知ったのです。
どうしても8月に開業したかったこともあって、八王子市での開所に方向転換を決めて物件を探しました。幸い、八王子市には物件がたくさんあったので、複数の中から選ぶこともできました。
イ)開業の時期にコロナの影響を受けてしまったのですね。他にも弊害はありましたか?
廣澤)コロナの影響はその後も続き、融資の審査が通常どおり動いておらず、次は資金面でも苦労しました。
融資が下りないと物件の改装もできませんし、結局予定よりも1か月延びて2020年9月の開所になったというわけです。
本来であれば、新学期に向けて8月に開所する、というのが僕らの事業計画だったのですが。
イ)確かに夏休み頃から放デイに問い合わせて、新学期から通う子は多いですね。
廣澤)それに予定どおり開所できれば、8月中も困っているお子さんがいれば1日お預かりすることもできましたし。
こちらとしても、それほど人数のいない中でお子さんを1日預かることによって、スタッフも徐々に慣れていける、と想定していたんです。それが1か月ずれたことで目論見が外れてしまい、9月の集客は苦労しました。
イ)それは大変でしたね。他にも、従業員を採用するにあたって苦労したことなどはありますか?
廣澤)採用はありがたいことに良いご縁をいただいたというか、結構スムーズでした。
コロナで面接する場所がないなど、いろいろ大変な面はありましたが、応募自体は来ていたので。
イ)人材の募集はどのような方法で行いましたか?
廣澤)物件が決まった6月頃から民間の求人サイトに募集を出し、そこから順次面接を行っていった感じです。
ハローワークは掲載までに時間がかかるし、希望する人材が短期間で集まるか?というと、なかなか難しいと思います。
そこには時間を掛けたくなかったので、ある程度の初期費用を投資しました。
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