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一人ひとりの「可能性」を伸ばすリフレーミングの力

2020/02/01

羽田野ふきこ先生の子育てコラム

一人ひとりの「可能性」を伸ばすリフレーミングの力

如月(着更衣、きさらぎ)と言われる2月。春はもうすぐそこまで来ています。

外に出て、春の訪れを探してみると…、ありました。 青い空を背景に可憐な紅色の花を身につけた梅の木。 まだまだ固いけど、暖かな陽ざしをじっと待ちながらふくらみかけた桜の芽。 自然の中では、多くのものが確かな足どりで、一歩一歩春に向かって歩んでいます。

さて、2月は「にげる」と言うけれど、子どもたちは1年の5/6が過ぎてしまいました。あと2ヶ月で今の学年ともお別れです。2月も3月も、あっという間に逃げたり去ったりしないように、子どもたちと大切に過ごしていきたいですね。

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あなたが選んだもの 「何が見えますか?」

一人ひとりの「可能性」を伸ばすリフレーミングの力

あなたは、この図形を見たときに何が見えますか?ある人は「杯が見えます」と答えるでしょう。ある人は「人の顔が見えます」と答えるでしょう。よく観察すると、「杯の形」と「人の顔」が交互に見えることに気づくでしょう。

なぜなら、私たちの脳は「杯」と「顔」を同時に認識することはできません。一つひとつを交互に認識しています。あなたが見えた形…。それは、あなたが気づいた「選択の結果」ともいえるのです。

一人ひとりの「可能性」を伸ばすリフレーミングの力

工事現場でよく見かけるこの「コーン」は、どんな形に見えるでしょう。「三角形に見える」と答える方も多いですね。しかし、子どもたちにこれを見せると…、三角形以外の見方を教えてくれます。

上から覗きこんで「四角と小さな丸の形が見えるよ」とか、下からのぞき込んで「大きい丸とひし形も見えるよ」などと答えます。中には、自分の股の間から覗いて、「逆三角形だよ」と気づく子どもや、「とんがり帽子だ」と言って頭に被る子どもも出てきます。子どもたちの気づきや発想は実に柔軟です。

新たな枠で物事を見てみよう

■リフレーミングとは?

今日は「リフレーミング」について、お話をしたいと思います。リフレーミングとは、「枠を変える」「他の窓から見る」という意味で、「いろいろな見方をする」という解釈もできます。

私が教師をしていた頃、「自分は、いいところなんて1こもない」「いいところがわからない…」としょんぼりしながら話してくれた男の子がいました。この子はなぜこのように考えるようになったのでしょう。

もしかしたらその責任は、周囲の大人たちの対応にあるのかもしれません。なぜなら、子どもたちは周囲の大人の反応や評価を受けながら自己イメージを形成し、自分を評価してしまうからです。

例えば、子どもが何かをしたとき、「この子はダメだ」と否定的に見たとします。すると、子どもの悪いと思うところばかりが目について指摘してしまい、「やっぱりダメね」となってしまいます。そして、子どもも知らず知らずのうちに自分の悪いところを探すようになり、「やっぱりボクはダメ人間だ…」となっていく傾向があります。

一人ひとりの「可能性」を伸ばすリフレーミングの力

人間は多かれ少なかれ、短所と長所を持ち合わせている…と言われていますが、短所長所も自分がそう思いこんでいるだけかもしれません。そもそも、「良いところ・良くないところ」と分けて決めつけてしまうのもどうなんだろう…と考えてしまいます。

「短所だな」と思うところも、「弱みだな」と感じるところも、ぜんぶ「私」であって…。それも「らしさ」であって…。そこに「良い悪い」というジャッジはなく…、ただそれだけのことなのです。

このような子どもたちの現状を懇談会で保護者にお話すると、「私も自分のことが嫌いなんです」と打ち明けてくださる方もいらっしゃいました。自己否定感を持つことは、誰もがよくあることです。

これまで多くの親子と関わる中で感じたことは、まず私たち大人がリフレーミングの力をつけていくことの大切さです。大人たちのリフレーミングは、子育てを通して子どもたちにもリフレーミングをする力をつけることになり、親子の笑顔に繋がっていく…と感じています。

私自身、子ども、周囲との関係など、自分や子どもの周りで起きた出来事をリフレーミングすることで、さまざまな視点を持つことができます。選択の幅が広がり、行動も広がります。

いろいろな視点から見ることで、問題と感じていることの根っこや、自分の思考のクセが見えてきます。そして何より、"I am OK."「私はこれでいい」という共通理解が広がります。

「私ってなかなかいいね!」リフレーミングの力

「○○さんて、こんなところがあるんですね」と他の人から言われることで、「えっ、私ってそんなところがあるんだ」と気づく体験はありませんか?「私にもこんなところがある」と気づく瞬間は、大人になっても体験することがあります。もしかしたら、大人である私たちも、自分が知っている「私」は、ほんの一部なのかもしれません

子どもたちはもっと、自分のことが分かりません。「○○ちゃんの朝のあいさつは、大きな声で気持ちいいね」「○○さんてアイデアマンだね」「頼りになるね」…などと、親や先生、友だちから伝えてもらうことで「ボクにもこんなところがある」「こんなことができるんだ」…と自己発見をすることが多いです。

私が教師をしているときは、クラスのみんなで"○○さんのステキ見つけ"をし、「他の窓から見る」というリフレーミングを学級経営の柱にして取り組んできました。友だちから伝えてもらったときの、子どもたちの嬉しそうな表情は忘れられません。

こういった体験が、子どもたちの自信とエネルギーになり「やる気のスイッチ」になっていきました。リフレーミングを通して、視野を広げ柔らかな視点で見る力だけでなく、相手への思いやりや協力といったことも学んでいきました。

体験講座のお知らせ 「リフレーミングのワークショップ」

現在、11のテーマを元に、保護者の皆さまや放課後等デイサービスのスタッフの方々に向けたワークショップを各地で主宰しています。

そして3月にネットアーツの会場をお借りし、リフレーミングの効果が体験できるセミナー「子育てに悩む保護者の方へおすすめできるペアレントトレーニング講座」を開催させていただくことになりました。
詳細が決まりましたら、こちらのはぐめいとでもお知らせいたします!

是非この機会に「リフレーミングの力」を体感してみませんか?皆さまのご参加、お待ちしています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

一人ひとりの「可能性」を伸ばすリフレーミングの力

著者紹介

一人ひとりの「可能性」を伸ばすリフレーミングの力

教師歴33年! 親子で幸せになるポイントを提案!
子育てアドバイザー:羽田野富喜子(はたのふきこ)
○元小学校教諭・幼稚園教諭
○人財教育サポーター
○ハートフルコーチ
○NLPエグゼクティブトレーニング修了
○ソリューション・フォーカス・アプローチセミナー修了


■講師プロフィール
教師生活33年(内、特別支援学級3年)。一貫して教育の仕事に携わる。
学級崩壊したクラスを立て直すなど、「自己肯定感を育む学級・感動ある授業の創造」を目指して実践。
3000人以上の親子と関わり、子どもの心の声に耳を傾け親と共に悩み考え、「子育て支援・保護者の自分育て支援」を行い現在に至る。
2014年3月に教師を早期退職し、心理学やコーチングをベースに個人相談・保護者向けの子育てワークショップ・講演・障がい児セミナーなど、ニーズに応じて各種子育てコーチング・講座を主宰。さらに、教師指導講師や企業研修講師も務める。
"子どもを幸せに導くためには、自分自身が幸せになること"をモットーに、これまでの経験から自己肯定感に着目し、「自分らしく生きる」ために"何に気づきどのように生きることが大切なのか…"など、親子で幸せに生きる生き方を提案している。


■活動内容
○子育てがもっとラクになる!子育てワークショップ
○保護者のための子育て支援講座
○パーソナルコーチング(個人相談)
○グループコーチング(グループセッション)
○教師のための学級経営講座
○子育てコーチング講座

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