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【令和6年報酬改定】総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等

2023/11/01

行政書士小澤先生の放デイコラム

【令和6年報酬改定】総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等

みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!


今回は放デイラボのYouTubeチャンネルの中で『【法改正】児童発達支援・放課後等デイサービスの総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等について(令和6年法改正)』として、放デイ業界を支える行政書士 小澤信朗先生にわかりやすく解説いただきました。

『児童発達支援・放課後等デイサービスに係る報酬・基準について≪論点等≫』の中から、論点2の「総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等」の内容をご紹介します。

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児童発達支援・放課後等デイサービスに係る報酬・基準について≪論点等≫

令和6年(2024年)法改正・報酬改定に向けての方向性が具体化してまいりました。

令和5年10月18日に行われた厚生労働省と子ども家庭庁の障害福祉サービス等報酬改定検討チームによる会議では、令和6年度報酬改定の方向性についてまとめられています。

放課後等デイサービスや児童発達支援の事業者としては、今後の事業所の在り方について気になるところではないでしょうか。

論点一覧については、こちらをご覧ください。

>>【法改正】令和6年(2024年)法改正・報酬改定に関する情報 ~論点一覧~

この記事では、質の高い発達支援の提供の推進について、論点2の「総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等」の内容を詳しくご紹介します。

参考資料:
『児童発達支援・放課後等デイサービスに係る報酬・基準について≪論点等≫』
障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 
第39回(R5.10.18)資料1
厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部 こども家庭庁 支援局 障害児支援課

現状・課題

(総合的な支援と特定領域への支援)

〇 児童発達支援・放課後等デイサービスにおいては、本人への5領域(「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」)を全て含めた、総合的な支援を行うことにより、包括的かつ丁寧に発達段階を見ていくことが重要。

 

〇 「障害児通所支援に関する検討会」報告書(令和5年3月)において、以下のとおり報告されている。
(以下は児童発達支援についての記載であるが、放課後等デイサービスについても同旨の記載)

・ 児童発達支援の主な対象が、乳幼児期という生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期であることからも、全てのこどもに総合的な支援が提供されることが必要であり、全ての児童発達支援においてこれを提供することを基本とすべきである。事業所のアセスメントや支援が総合的な支援を基本とした内容となるよう、5領域とのつながりを明確化できる個別支援計画のフォーマットをガイドラインにおいて示すことなどを検討する必要がある。

・ 乳幼児期においては包括的にこどもの発達をみていく観点が重要であるが、一方でこどもの状態に合わせて柔軟に必要な支援を提供することも重要であり、総合的な支援の提供を行いつつ、その上でこどもの状態に合わせた特定の領域に対する専門的な支援(理学療法、作業療法、言語療法等)を重点的に行うという支援の在り方が考えられる。

特定の領域に対する重点的な支援については、こどものアセスメントを踏まえて、相談支援事業所による障害児支援利用計画や児童発達支援事業所の個別支援計画に位置付けて実施するなど、その必要性を丁寧に判断し計画的に実施されるようにすることが必要である。また、医療機関あるいは主治医と連携して取り組むことも重要である。

・ ピアノや絵画等(中略)のみを提供する支援は、公費により負担する児童発達支援として相応しくないと考えられる。児童発達支援においては、総合的な支援を提供することを前提としていることから、ピアノや絵画等の支援の提供にあたっては、事業所の活動プログラムや個人に対するアセスメント、個別支援計画において、5領域とのつながりを明確化した支援内容とした上で提供することが必要である。


→ 個別支援計画のフォーマットをガイドラインに示されるようになりそうです。5領域とのつながりが明確化されているフォーマットに対して、当然アセスメントも対応していかなければならないでしょう。

→特定の領域に対する重点的な支援は、個別支援計画にきちんと書いて実施する必要があり、加算についても医療機関あるいは主治医と連携が必要となりそうです。

〇 常時見守りが必要な児への支援や保護者に対する支援方法の指導を行う等支援の強化を図る観点から、人員基準に加え、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等の専門職、児童指導員等又はその他従業者を配置している場合に、資格の種類等に応じて、児童指導員等加配加算(11単位~374単位/日)により評価を行っている。

 

〇 専門的な支援の強化を図る観点から、人員基準に加え、専門的で個別的な支援を行う専門職(理学療法士等)を配置している場合に、専門的支援加算(15単位~374単位/日)により評価を行っている。
また、専門職を配置して、計画的に機能訓練又は心理指導を行った場合に、特別支援加算(54単位/日)により評価を行っている(専門的支援加算等との併算定は不可)。

(基本報酬の評価)

〇 児童発達支援の基本報酬は、1日当たりの報酬として設定されているが、定員規模による区分はあるものの、支援時間による差異はなく、一律の単位が設定されている。

 

〇 放課後等デイサービスの基本報酬は、1日当たりの報酬として設定されているが、定員規模による区分とあわせて、学校の授業終了後(平日)と学校休業日で区分され、異なる単位が設定されている。また、学校の授業終了後(平日)の基本報酬については、運営規程等に定めるサービスの提供時間が3時間以上の場合と3時間未満の場合で区分され、異なる単位が設定されている。なお、30分未満の支援については原則基本報酬を算定できないこととしている。

 

〇 事業所・利用児童ごとで支援時間が異なる状況がある中で、支援時間の長短による手間が適切に評価されていないという指摘がある。

 

〇 「障害児通所支援に関する検討会」報告書(令和5年3月)において、以下のとおり報告されている。
・ 児童発達支援には、児童発達支援が生活の主軸である場合と、保育所や幼稚園等が生活の主軸である場合(併行通園で児童発達支援を利用等)があるなど、支援時間に差異があることから、支援に対する人員の配置の状況や支援の内容等にも留意しつつ 、支援時間の長短を考慮したよりきめ細かい評価を行うことが必要である。
・ 放課後等デイサービスには、支援の内容や年代、利用の仕方により、支援時間に差異があることから、支援に対する人員の配置の状況や支援の内容などにも留意しつつ 、支援時間の長短を考慮したよりきめ細かい評価を行うことが必要である。


(支援の質の向上)

〇 児童発達支援・放課後等デイサービスにおいては、支援の質の確保・向上の観点から、自己評価・保護者
評価の実施・公表が基準上、義務
付けられている(未実施の場合は自己評価結果等未公表減算を適用)。

 

〇「障害児通所支援に関する検討会」報告書(令和5年3月)において、以下のとおり報告されている。
・ 児童発達支援及び放課後等デイサービスのガイドラインで定めた自己評価票・保護者評価票については、第三者による外部評価に関する研究の報告等も参考にしつつ、各ガイドラインの見直しとあわせて改善を図るとともに、運営基準等において実施方法を明確化し、運用の標準化と徹底を図ることが必要である。
・ 障害児通所支援の質の確保・向上につなげる観点から、自己評価票・保護者評価票について、集約・分析し、その結果を公表するなど、より良い支援に向けた事業所の気付きや事業所間の切磋琢磨につながるような、効果的な活用方策や公表の仕方について検討を進める必要がある。

検討の方向性

(総合的な支援と特定領域への支援)

〇 児童発達支援・放課後等デイサービスにおいて、適切なアセスメントの実施とこどもの特性を踏まえた支援を確保する観点から、支援において、5領域(「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」)を全て含めた総合的な支援を提供することを基本とすることを求めることを検討してはどうか。

 

〇 総合的な支援と支援内容の見える化を進める観点から、事業所において、5領域とのつながりを明確化した事業所全体の支援内容を示すプログラムの策定・公表を求めることを検討してはどうか。

 

〇 児童指導員等加配加算について、専門職による支援の評価は専門的支援加算により行うこととし(次項参照)、経験ある人材の活用・評価を推進する観点から、配置形態(常勤・非常勤等)や経験年数に応じた評価とすることを検討してはどうか。

 

〇 専門的支援加算及び特別支援加算について、専門人材の活用とニーズを踏まえた計画的な専門的支援の実施を進める観点から、両加算を統合し、専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別・集中的な支援の計画的な実施を2段階で評価することを検討してはどうか。


(基本報酬の評価)

〇 児童発達支援・放課後等デイサービスの基本報酬について、発達支援に対するきめ細かい評価とする観点から、極めて短時間の支援は算定対象から原則除外するとともに、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価が可能となるよう、支援時間による区分を設けることを検討してはどうか。
長時間の支援については、延長支援加算を見直し、預かりニーズに対応した延長支援として評価することを検討してはどうか(論点10参照)。


→介護保険のような支援時間によって区分が設定されそうです。

(支援の質の向上)

〇 自己評価・保護者評価について、運用の標準化と徹底を図る観点から、基準において実施方法を明確化することを検討してはどうか。

まとめ

放課後等デイサービス・児童発達支援、保育所等訪問支援の2024年法改正の方向性につながるため、論点は確認しておきましょう。

次の論点3、論点4については、こちらをご覧ください。

>>【法改正】関係機関との連携の強化と将来の自立等に向けた支援の充実(障害児通所支援令和6年法改正)
 

令和6年報酬改定に対応するために

令和6年4月の法改正の内容について、「今の運営体制で間違いや漏れがないか不安」「最新の情報に基づいた対策ができているか確認したい」という経営者様も多いのではないでしょうか。

そこで今回のセミナーでは、『【令和6年報酬改定】児童発達支援・放課後等デイサービスの加算・減算の解説と対策』と題して、令和6年度報酬改定のポイントについて詳しくお話しいただきます。しっかりと今回の報酬改定内容を理解して今後の施設運営にお役に立てください。

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小澤信朗先生のご紹介

利用者負担上限額管理をする必要が初めて出てきた場合の対応

1977年東京生まれ。東京都中野区で活動する行政書士。
山形大学人文学部4年の時に、知的障害児のための学童保育でボランティアを始めたことをきっかけに、 障害福祉サービスに関するサポート業務をおこなうことが自分のライフワークとなる。

山形大学人文学部を卒業後、介護保険対応総合システムのサポートを経て、 2010年9月に行政書士として独立。
放課後等デイサービスは、東京都の他、青森県や岩手県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、静岡県、愛知県、長野県、三重県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、沖縄県などからも依頼をうけ、開設や運営のコンサルティングや申請代理業務を手掛けている。また開業後、リコージャパン株式会社、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会、パナソニックエイジフリーケアセンター香里園、NDソフトウェア株式会社、新興サービス株式会社、多摩信用金庫、株式会社細田工務店、株式会社エス・エム・エス、株式会社いきいきらいふ、連合福井、杉並区地域包括支援センターケア24西荻、府中市地域包括支援センター安立園など上場企業や地域包括支援センター主催のセミナーで講師として活動するなど幅広い活動をおこなっている行政書士である。

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