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2023/10/03
放課後等デイサービス事例インタビュー
長崎県で児童発達支援センターを運営する社会福祉法人わかば福祉会様にお話を伺いました。
社会福祉法人わかば会様は幼保連携型認定こども園『やまだこども園』を運営されていますが、2021年4月に児童発達支援センター『なないろハウス』を開所されました。
児童発達支援を立ち上げた経緯や保育所等訪問支援について施設長の明時(みょうじ)様からお話を聞くことができました。
インタビュアー(以下:イ)まずは施設について教えてください。
明時様(以下:明時)まず当法人は、幼保連携型認定こども園『やまだこども園』を運営しています。そして2021年4月に児童発達支援センター『なないろハウス』を開所しました。
イ)明時様の現在の業務について教えてください。
明時)『なないろハウス』の施設長です。施設の管理者として、また児童発達支援管理責任者として勤務しています。
イ)もともとこども園を運営されていますが、児童発達支援センターを始められた経緯やきっかけなどを教えてください。
明時)私は10年間ほど病院の高齢者向けの施設に勤務していましたが、ここのセンター立ち上げに合わせて戻ってきました。
2年間に渡り児童発達支援管理責任者をしていた保育士がいるのですが、もともとは、やまだこども園の主幹保育教諭です。
その保育教諭が年長を担任していたときに、自閉症だとか強度の障害のある児童や他にも支援が必要なお子さんが多くいたためにすごく悩まれた結果、理事長に「障害児支援の施設で働きたいから辞めたい」と申し出たそうなんです。
その当時、私の弟が作業療法士を目指して長崎大学に通っておりまして、小児医療で有名な長崎大学医学部保健学科教授 岩永竜一郎先生の講義を受けていました。そのご縁で障害児支援について相談に乗ってもらう機会を得て、支援の仕方を教えてもらいました。
そして、辞めたいと言っていた保育教諭に「3年後に児童発達支援センターを作るからやめないでくれ」と理事長が引き止めました。
また弟も卒業して3年間福岡の児童発達支援センターで働いていましたが、こちらに戻ることにして約束通り、3年後に児童発達支援センターを立ち上げました。
保育教諭も理事長を信じて、辞めずにセンター立ち上げを手伝ってくれました。
イ)現場の想いに応える形で児童発達支援センターを立ち上げられたんですね。
明時)そうですね、岩永先生からの後押しもあって立ち上げることができました。
イ)施設の特色を教えてください。
明時)こども園と同じ法人なので連携できることは強みです。
児童発達支援センターに通う子の療育を、こども園の先生が観に来ることができます。
例えば、園の先生が療育の様子を学ぶことにより、対象の子どもに対して療育の目線を取り入れて支援することができます。
イ)お互いの園の様子を見ることで、リアルタイムに情報を共有されているわけですね。
明時)センターの中で就学時が通う放課後等デイサービスも運営していますが、小学生たちは、こども園の施設を利用しています。
こども園の園舎の裏には「とんねるの森」や大きな土管を利用した築山やトンネルもあります。
ビオトープではカエルやカニ釣りをしたりとか、自然が多くあって、それを小学生たちは楽しんでいます。
イ)今は特に夏休みなのでとても楽しめそうですね。
明時)これからの時期はテラスで「そうめん流し」がありますね。あと水鉄砲とかシャボン玉遊びをしています。
小さなお子様はシャボン玉が人気ありますが、目的を持って遊ぶことが重要なので、頑張ったらご褒美シールがあり、それが「5つ貯まったら、シャボン玉しようね。」と促しています。
わたしたちは保育園に送迎するので、保護者さんは活動を記録でしか見ることができません。
共働き家庭が増えて親子で療育を受けることが少なくなっていることが否めないので、親子のふれあいを増やしたいと思い、親子ふれあいデイを予定しています。
療育の一環で夏祭りのように、いろいろ企画(ピザやそうめん流しなど)しながらブースを作り等の準備をしているところです。
多くの保護者さんが楽しみにしてくれています。
イ)そのほかにも療育で工夫されていることは?
明時)小さな1~2歳児であれば、週に1度親子療育も行っており、親子での関わり方なども支援をしています。
このような支援を行う中で、普段の様子も保護者からお聞きして療育に役立てています。
イ)子どもたちとの関わりで、特に気を付けてことや大切にしていることは?
明時)「あくまで子ども主体」であるという考えを大切にしています。
子どもたちがやりたいことを優先的に考えていますので、職員は黒子に徹して、子どもたちが意見などを発表する場を作るようにしています。
イ)なるほど!子どもたちの自立ですね。
イ)児童発達支援センターとして施設内での支援だけでなく、保育所等訪問支援もされていると伺いましたが、いつごろ始められましたか?
明時)開所と同時です。
開所時は月曜日のみでしたが、他の園や学校の都合で予定が合わず、それですべての曜日に対応するようになりました。
イ)まだ保育所等訪問支援を実施できている事業所は少ないと思うのですが、始めるにあたり何か参考にされましたか?
明時)何かを参考にしたというのはありませんが、こちらが行く側になるので、学校側や保育園側に事前連絡として「この日の何時から何時にこのお子様を見に行きます」と日程表を配り、了承をいただくようにしています。
早め早めに連絡することで、都合が悪ければ変更してお互いに調整して連携を取らせていただいています。
イ)スムーズな連携を心がけておられるということですね。連絡を取り合うのは大変な部分もありますか?
明時)苦労はしますけども、それをすることで学校も都合を合わせて調整してくださるので助かります。
この地域は協力的なので行きやすいです。
イ)学校や保育所などは保育所等訪問支援を快く受け入れていただいているのでしょうか?
明時)保護者と契約したときに、学校側や保育所側に事前に連絡するようにしています。「契約したので、保育所等訪問支援というものがあり、お子様の様子を見に行かせてください」とお願いしています。
時には直接出向いて、「契約したお子様の園の様子を見せてください」と訪問のお願いしていますが、いいですよと快く受け入れていただいています。
イ)話は変わりますが、HUGを知ったきっかけについて教えてください。
明時)もともとインターネットなどで調べて、他社のシステムと比較をしていました。
初めての施設運営なので不安があり、一括して全てできることと、営業の方から「児童発達支援センターに対応する」と聞いたからですね。
イ)当時はセンターに対応していないけど、保育所等訪問支援もあってHUGを選んでいただけたということですね。
イ)開所と同時に使用していただいたわけで課題があったというよりも、使ってみて良かったことなど感じることは何になりますか?
明時)HUGで療育のスケジュールを組みやすくなった感じです。
時間単位で療育を入れていくので、それを最初システムに入れて調整をしてしまえば、スムーズに療育の予約が入れられるようになりました。
保護者とのメールの機能は、保護者さんとの連携がしやすくなりました。
あと日々の記録ですね。見ることで、こういう療育、活動をしたことがわかります。
またそこの保護者さんから「いつも見ています」とコメントをいただけると、職員としても励みになるのでとても有効です。
イ)とても細やかに記録やコミュニケーションを取られていらっしゃいますが、気を付けていることポイントなどはありますか?
明時)特に書き方を決めているわけではないですが、日々子どもたちの様子は、その時にしか分からないので、その時の様子や状況が分かるように記録をしてほしいと職員には伝えています。
イ)しっかりと記録を残すことはとても大変だと思います。大変勉強になりました。
イ)HUGに対して追加してほしい機能などはございますか?
明時)現在、療育時間を区切りとして、Excelをベースに一日の予定を組んでから、日にちごとに職員の予定を組んでいます。その後、Excelベースで一週間分作ってからHUGに入力しています。
それを保護者さんから、その日の予約としてできるようにしたいと思っていますので、そのベース作りをお願いしたいです。
イ)個別療育に特化したスケジュールを保護者が予約時に選択ができるように。そして、施設側も二度手間にならないようにですね。
明時)個別療育では、先生の指定までできるといいですね。
イ)ありがとうございます。予約機能もご利用いただけているとのことで+αとして機能を追加できるか社内で検討してみます。
イ)最後に今後の展開などを教えてください。
明時)理事長との話で、当初は相談支援も検討していました。
センター開所時には初任者研修まで受けている職員がいましたが、実務要件で始められなかった経緯があって、まだそこが頓挫しています。
今後は相談支援まで広げていくと思います。
イ)相談支援でもHUGでお役に立てると思いますのでよろしくお願いします。本当にたくさんの想いで活動をされていて大変勉強になりました。
本日は貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
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