放課後等デイサービス業界に
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2023/03/08
放課後等デイサービス事例インタビュー
東京都八王子市を中心に放課後等デイサービスを運営する一般社団法人チャイルドライフ様にお話を伺いました。
一般社団法人チャイルドライフ庄司様は、放課後等デイサービス『ベルテール』のほかに学童保育施設やサッカースクールを運営し、教育研修事業なども手掛けられ、今回は協同組合も設立されました。幅広い活動の経緯やご苦労、今後の目標について詳しくお話を聞くことができました。
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インタビュアー(以下:イ)協同組合を作られたとお伺いしましたが?
庄司様(以下:庄司)私たちの行う福祉は、「コミュティビジネス」と捉えています。地域あっての福祉です。地域に愛されなかったらコミュニティビジネスは成り立ちません。
本来は、市や行政が行っていた福祉を民間に委託して成り立っているのです。
「福祉だからビジネスはいけない」ということはないと思います。ビジネスにしなければ、継続できません。その利益から投資ができるわけです。
新しいものを取り入れて、新しいビジネスとして、「シナジーのある福祉」になると考えています。それにより、ソーシャルビジネスになっていくと考えています。
我々がコミュニティビジネスだと言っていても、「金儲けでしょ」という人もまだいます。そこに ”放デイ業界” が悪い意味で注目されていますが、この業界が纏まっていないことが原因だと思っています。
放デイは中小企業の集まりであり、情報共有もされていないという状況で、事業所数が増えています。
そのため、登記できる協同組合という形が必要だと思っています。
中小・小規模事業者が大半を占める我々が、これらの課題を解決するためには、事業者が一体となった業界団体が、共同事業を通してサービスの標準化・適正化を図っていくことが必要であると判断し、本組合の設立に至りました。
事業協同組合という組織形態を選択したのは、認可法人として信用力が高いだけでなく、企業規模が異なる事業者が公平に事業活動に参画できる等、我々の理想とする組織運営だからです。
庄司)今回、発起人として4社でスタートしましたが、7月に認可され、現在は11社になっています。組合は活動地域が指定されており、現在は東京、神奈川、埼玉、茨城です。
鹿児島、大阪、新潟、千葉、群馬の企業が組合参加希望があるため、12月の総会でこの活動地域追加が決定しました。新しい組合員と活動地域が増え90施設の組合組織となります。
全国規模になることで組合の組織力が強くなり、共同事業の中で標準化するというメリットが出てきます。
協同組合は世界的にも歴史のあるものであり、協同組合は福祉に向いていると考えています。
また、協同組合であることで、業務の標準化や規格化が可能です。
「保育士・児童指導員公認制度」による教育要綱を策定して教育の規格化を進め、来年度4月より「公認制度」として開始します。
イ)同じ想いを持った人たちが集まるわけですね。そこに実利を伴うようなメリットは出てくるのでしょうか。
庄司)放デイは経営が困難なので、協同組合では共同購買も行います。共同購買で今利用しているのは「アスクル」です。組合に加入することで6%の割引が適用でき、組合側には2%の手数料が入ります。
また、ガソリンの共同購買も行っています。現在、試験的にガソリンの共同購買を開始しました。通常にガソリンを購入するよりも、1ℓあたり10円ほど安くなります。
組合員になると、その安い金額で購入することができ、組合側は手数料として1%の手数料が入ります。手数料を差し引いても平均的に8円以上安くなりますので、事業所側は大きなメリットになります。
このように協同組合に入ると、日々の経費が節約できるので、共同購買を利用できるのは大きなメリットだと思います。
共同購買によって経費を削減して、やさしい経営ができるような、そんな仕組みを提供したいと思っています。
協同組合の販売網を民間の会社(例えば、アスクル)がその販売網を利用して組合価格で提供してくれるスキームです。組合は営利を目的にしていませんが、運営のために手数料をいただいています。
組合で新しい施設を作ることは、1つ目標になっています。例えば、組合運営の放課後等デイサービスなんかいいと思っています。そしてそこが研修施設になるわけです。
そうやって個々の力が結集して業界を変えていければと思います。
放デイ業界が認知されるためにも業界に影響力を持つ「組合」に育てていきたいと思います。
イ)業界を盛り上げていくとのことですが、組合はどのくらいの規模で活動予定なのでしょうか?
庄司)今期(令和5年10月まで)は、基本的に放デイのみ参加可能ですが、その後は障害福祉サービス事業施設も参加可能にする予定です。
組合の考え方は、相互扶助の組織です。関係する人は組合員になれます。就労移行を支援する企業や生活訓練を行っている会社も組合に入れます。
私たちの目標は、ソーシャルビジネスです。
共同購買で経済効果を創出し、組合員数が増え、障害福祉サービス事業所も参加することにより、福祉が経済効果のあるソーシャルビジネスとなります。
よって協同組合の考え方が福祉業界の中で、最も適していると考えられます。大きな法人、小さな法人を問わず、1票は1票となる訳ですから。
ご興味のある方は、ADC協同組合(adc-coop.jp)にお問い合わせください。
イ)貴重なお話をありがとうございます。話は戻りますが、予算はどのように管理されているのでしょうか?
庄司)私たちは毎月予算管理を行っていますが、予算を作る際には職員に説明をしています。 私たちの場合、処遇改善加算 8.4%はすべて賞与に引き充てています。売上が予算より上回れば、引き充てが増えます。
予算を作る際に、年間の利益を計算します。利益の半分は職員にフィードバックします。例えば、3,000万円の利益があった場合、1,500万円は賞与とベースアップに割り充てられます。このことを職員全員に伝えます。
「今回の予算で、処遇改善加算はこれだけの額が引き充てられます。」そして、毎月の予算会議で「利益を出すためにどうしたらいいか」を考えます。
厳しいことも言いますが、「いい仕事をするためにみんな頑張った。そのための赤字だったら、いい赤字です。」
しかし、「原価をもう少し考えて」となるわけで、法令順守でどのように考えらよいか「原価を考えて利益を出す」ということを、職員は理解してくれます。
イ)運営されている中でチャレンジ精神の理念が、将来の子どもたちのためにつながっていくのですね。
庄司)はい、すべてはミッションにつながっていきます。HUGを導入する際に、業務の原価計算を行いました。大多数の職員がシステムを導入するのに反対したからです。
送迎の時間から療育の時間、保護者対応の時間など、職員に全部の業務時間を記録させました。それを半年やると、統計的にちゃんと業務の原価時間が分かるんです。
無駄な時間を減らすことで、 原価(時間)を少なくしてもっと質を上げれますよと説明しました。
原価(時間)が長ければ長いほど、ミスが多くなり、アフターコストが増加します。そういう説明などを経て、職員は理解が進み、全ての施設でシステム運用するのに1年掛かりました。
HUGを運用したことで、アフターコストによる無駄な業務がなくなり、療育の質の向上に繋がっています。
事業所ごとのマイルールや、特定の職員しかわからないような属人性が解消できました。
HUGは、コミュニケーションツールとしての効果もあると思います。
ICT化により、正社員を中心に人員配置しているのに黒字でいられるのは、生産性が非常に高いからだと思います。
イ)理念の中にある「時間を大切に」にもつながるわけですね。本当にあるべき姿を学ばせていただきました。
庄司)とんでもないです。本当に業界を良くしていかなければならないので、特にHUGさんには、業界のために頑張ってもらいたいと思っています。
イ)肝に命じておきます。本日は貴重なお時間をありがとうございました。
弊社が提供している「HUG」は放課後等デイサービス運営会社が開発したソフトウェアです。
請求業務はもちろん、個別支援計画やサービス提供記録の作成から管理も簡単に行えます。
実際にHUGをご利用いただいている放課後等デイサービス事業者様の感想をご紹介していますので、請求ソフトや管理システムの導入を検討されている方はご参考くださいませ。
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