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2022/07/19
小児発達専門看護師 佐々木先生コラム
こんにちは。小児発達専門看護師で知的障害児の母でもある佐々木美華です。
今回から、はぐめいとのコラムを書かせていただくことになりました。
20年間の看護師・保健師としての仕事と障害児子育ての経験から「知的障害、発達障害のある子と親が穏やかに過ごすために出来ること」についてお伝えしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、猛暑が続くこの季節、熱中症が心配ですね。
特に発達障害や知的障害のある子どもは、熱中症になりやすいために注意が必要です。
発達障害や知的障害のある子どもが熱中症になりやすい原因は、主に3つあります。
その具体的な理由をお伝えします。
人間は、自律神経機能の働きで気温の上下に関わらず、体温を一定に保とうとバランスをとっています。
しかし、発達障害などによりこの機能の働きが悪い場合、暑いところにいると体温はどんどん上がり、寒いところにいると体温はみるみる下がってしまいます。
今の季節のように暑い日に暑いところにいると、普通は体温が上がると汗をかいて熱を下げようとするのですが、体温調節が苦手なタイプは、汗が出にくいために熱が体にこもるのです。
ですから、体がだるくなったり、動きが緩慢になったり、ぼーっとしたり、ついには頭痛や嘔気など体調不良を引き起こすこともあります。
発達障害のある子どもの中には、自分の体に起こっている暑さ、寒さ、空腹感、痛み、疲れなどの症状に鈍感な場合があります。
そのため、暑いということやのどが渇いたことを自覚できず、周囲に伝えられない場合があります。
ASDによるこだわりの強さや、感覚面のかたよりによって、季節に合わない服を着る場合があります。
知的、発達障害のある私の息子も昔から体温調節が得意ではありません。熱がこもりやすいため、今でも気づいたら顔が真っ赤になっていることがあります。
上手に汗をかきにくい体質で、暑いと感じていたとしても発語で伝わりにくいため、人に訴えかけることが難しいのです。
また、のどが渇く感覚がわかりにくいのか、暑い日でも水筒のお茶をほとんど飲まずに帰ってきたこともあります。
お茶を飲むことに意識が向きにくく、のどの渇きを忘れてしまうなかで水分が十分に摂取できていない可能性もあり、熱中症対策は夏の悩みの種です。
では、発達障害や知的障害のある子どもの熱中症を防ぐには、どのような対策が必要なのでしょうか。
屋内でできる対策としては、
・「こまめに子どもの体温を測る」
・「室温が◯度以上になったらクーラーをつけようね」
といった具体的な数字を用いた決まりを作るなどが考えられます。
家で服を選ばせる際には、
・季節ごとにハンガーを色分けする
などして外の気温に合った服を選べるようにしましょう。
屋外でできる対策としては、
・帽子を被る
・水筒を持たせる
・着替えを持たせる
・冷却グッ ズを使用する
などになります。
屋内・屋外共通して重要なことは、子どもがわかる声かけや働きかけです。
暑そうにしている場合、大人が「汗かいてるよ、暑いね」などと伝えて衣服の調節を促します。
「そろそろお水を飲もうね」と声かけや筆談、絵や写真で具体的に伝えて行きましょう。
また、オススメのトレーニングがあります。
汗をかくために有効な ”四股を踏む” ような体勢で太ももの裏を伸ばし、胸を開いて呼吸をしやすくした血液循環を促すトレーニングです。
浮腫みやすい場合はリンパの流れが滞っているので、意図的に体を捻るポーズも良いでしょう。
このようなトレーニングは、小さい子どもが理解するには少し難しいかもしれません。大人が一緒にトレーニングをすると良いでしょう。
参考文献:
・自閉っ子の心身をラクにしよう!/栗本啓司/花風社(2014)
・発達障害の子の健康管理サポートブック/梅永雄二/健康ライブラリー(2017)
・子どもの発達にあわせて教える3/小倉尚子:監修 松麻実子:監修 武藤英夫:監修 発達協会編/合同出版(2013)
・日本生理人類学会誌
・厚生労働省
・四谷学院療育55段階プログラム
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看護師・保健師歴20年で知的障害児の母!
知的障害、発達障害のある子と親が穏やかに過ごせる方法を提案!
小児発達専門看護師、保健師、知的障害児の母、一般社団法人親子発達サポートそーる代表理事:佐々木美華(ささきみか)
○看護師
○保健師
○タッチケア講師
○バランスボールインストラクター
○発達支援コーチ(初級、中級)修了
○ソーシャルプランナー療育コース修了
○PECSレベル1修了
○BBA(ビルディングブロックアクティビティ)講座修了
■講師プロフィール
看護師・保健師としてクリニックや企業、保健センター、子育てひろばの育児相談など小児に関わる分野で20年以上仕事に携わる。
自身の息子に先天性の障害があったことから、幼少期から療育やリハビリに二人三脚で取り組み、家庭療育を実践。障害児に対する様々なアプローチ法があることを学ぶ。
「障害のある子と親の居場所が地域にない」と子育て中に実感していたため、2019年1月に保育士・リトミック講師・障害福祉施設支援員などと共に0.1.2歳児の親子発達応援サロン「そーるきっず」を開始。
他にも、個別発達相談、タッチケア通信講座、知的・発達障害児(者)支援者スクール、児童発達支援、放課後等デイサービス支援者向け研修、保護者会講師、子育て支援者向け講師、講演などニーズに応じて主宰。
"地域で障害のある子と家族が笑顔で暮らせるために"を理念に、自身の仕事と障害児子育ての経験から、「親子で穏やかな時間を過ごすために出来ること」について具体的な対応方法を提案している。
■活動内容(例)
○0.1.2歳児の親子発達応援サロンそーるきっず
○タッチケア通信講座
○個別発達相談
○知的・発達障害児(者)支援者スクール
○児童発達支援、放課後等デイサービス、生活介護等、施設アドバイザー・支援者向け研修
○障害児の保護者向け講座
○子育て支援ひろば支援者、保護者向け講座
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