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2022/06/22
放課後等デイサービス事例インタビュー
愛知県大治町で児童発達支援センターを運営する社会福祉法人 大治東福祉会様にお話を伺いました。
大治東福祉会様は保育園を2園運営されていますが、2021年4月に児童発達支援センター『育つ力』を立ち上げられ、2022年愛知県尾張旭市に児童発達支援事業所『こころ躍る』を開所されました。
児童発達支援センターを立ち上げた経緯や児童発達支援の必要性を理事長の織田様からお話を伺うとともに、臨床発達心理士かつ公認心理師の野澤様やセンター長の加藤様からも心理士の目線から見た児童発達支援センターの役割、今後の目標について詳しくお話を聞くことができました。
インタビュアー(以下:イ)まずは施設について教えてください。
織田様(以下:織田)愛知県大治町で大治東保育園、大治はなつね保育園の2園を運営しています。そして去年(2021年)4月に児童発達支援センター『育つ力』を設立しました。
イ)野澤様は施設の管理者ですね。業務について教えてください。
野澤様(以下:野澤)去年(2021年)4月から当法人に移動してきました。今回新しくセンターを作るということで引き合わせがあり、当センターの立ち上げから手伝うことになりました。管理者ですが、管理業よりも心理士として年間の子供のプログラム作成、お子さまのアセスメント、職員指導、保護者対応を主に行っています。
イ)ありがとうございます。加藤様の業務についても教えてください。
加藤様(以下:加藤)私も同年の4月から当法人に移動してまいりました。もともと保育士でしたが理事長とのご縁があり、誘っていただきました。管理業務として請求業務、職員のシフト管理をしています。
イ)あらためて児童発達支援センター設立に至った経緯について教えてください。
織田)支援が必要なお子さまが年々増えてきている状況で、運営する2つの保育園がある中、児童発達支援の必要性を感じていました。
大治町には公立の保育園がありません。
障害のあるお子様や発達に特性のある子、手のかかる子はいます。それでも就学に向けて集団に所属しなければならない。それらの子を地域でしっかりと支援し、積極的に引き受ける役目を公立が担うケースが多いです。
保育園で引き受けるだけならできますが、現場の先生方は手をかけてあげるべき子を前に”しっかりと手をかけてあげたい”という思いがあります。
しかし、与えられた時間の中、他の子もいる中で物理的に時間割くことは難しく、ジレンマを抱えて潰れていくのは実は職員側になります。
また、児童発達支援事業所の役割として保育園や地域、そして小学校と連携する必要性を強く感じていました。
もし児童発達支援事業所を開所するのであれば、保護者にとっても職員にとってもプラスになる施設にしたい。それには「自前で児童発達支援をするしかない。」と思いました。
当初は児童発達支援事業所を作ろうとしたのですが、役場から自治体ごとに児童発達支援センターを1つ置く目標があるということもあり、「児童発達支援事業所ではなくセンターを」とご要望をいただいたことから児童発達支援センターの設立に至りました。
イ)児童発達支援センターの運営を始めて気付きいたことはありますか?
織田)実際に公的な役割を担っていかなければならないところが多く、関係機関とのやり取りもあり温度差も感じているところです。
私たちの考える「子供たちにとっての理想的な育み」という取り組みと、市町村から求められていることとリンクすることは、我々が主導で引っ張っていかなければならないと思います。
児童発達支援センターの立ち上がりとしては順調です。
認知も早く、保育園がバックボーンにあることで保護者様が相談しやすい環境であることで、現場の職員が保護者様からの声を拾いやすい効率のよいモデルであるといえます。
例えばですが支援児童が同じ法人内で週5日間を過ごすとして、週3日は保育園、週2日を児童発達支援センターに行くなど保育園にコミットしながら、タイミングを見て保育園に行く頻度を増やしていくなど情報を共有しながら進めていくことができます。
また、児童発達支援センターでしたためていかなければならない書類と保育園での書類は多くリンクします。
お子様の成長に関わる書類なので効率よいですし、保護者様も窓口が一つであることはメリットになっていると思います。
これらの情報は、そのまま小学校に上がる際の幼保小連絡協議会に引き継ぐことができます。次のステージにあがるときにスムーズに情報を共有でき、子供が進んでいける活路が見えてきます。
イ)保育園に通わせている保護者様から相談も多いでしょうか?
織田)同じ法人の保育園で相談できる強みは大きいですね。心理士がいることはとても大きい部分になっています。
普通の保育園では送り迎えの際、保護者様に気になる特徴を申し送りとして伝える場合、「障害児相談支援で相談してください。」となります。障害児相談支援で保留された場合、相談にいったからもうよいと保護者が相談を完結してしまいます。
ここでは保育園内で「気になることがあったらすぐに相談してください。」というスタンスを取っています。すぐに心理士に相談して、その子が困っていることを把握し、「こういうことをしてあげるといい」とすぐにアドバイスできます。
そのため次の就学に向けて子供にとっての適切なアプローチを見つけることができています。
イ)心理士の野澤様にお伺いします。どんな相談が多いのか教えてください。
野澤)子供が、「集団活動にうまく参加できない」といったご相談が一番多いです。
そして、その改善にはどのような対応をすればよいのか、という保護者様の心配事や困りごとに対し答えを求めてやってくることが多いですね。
それらに対して相談を進めつつ、お子様の実際の様子を見ながら、お子様のアセスメントを並行して行います。
そして、アセスメントに沿った形で相談内容についての解説をし、現在のお子さんの姿と相談内容をリンクさせます。
上記の理解をしていただいた上で、ここの児童発達支援センターだと、例えば「小集団で必要な練習をしながら保育園に行けると、お子さんにとっていいですね」などの提案がすぐにできます。
保育園に関しては、保育所等訪問支援などでお子さんの様子や園での活動を定期的に見ているので、実際の集団適応の具合はこちら側で把握しています。また、担任保育士とのやり取りの中で現場では実際にどう感じているのかを知り、それをセンターでの活動にフィードバックして取り組んでいます。
1つの課題をクリアしてステップアップすると、次の課題が浮き彫りになりますので、その繰り返しで順番にステップアップを続けていく形になります。
やはり見立てに対して進捗があることは保護者の信頼につながります。
保育園との連携ですが、基本は情報の共有です。
実際に児童発達支援センターでの活動を通じて、「できるようになった」事は増えていきますが、成長した結果として次の課題が生じてくるのは発達支援ではよくある事です。その課題に対して保育で何を支援するかを助言し、保育園で実行してもらいます。そして、一か月後に情報交換等を行い、効果測定をしていきます。
保育園での様子を知っているから共有でき、職員との連携、情報交換がしっかり取れています。
イ)同じ法人内で運営するメリットですね。
織田)はい、心理士が見立てを立てられる強みでですね。
そのため、子供が主体のサービスができます。
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