放課後等デイサービス業界に
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2017/10/17
放課後等デイサービス事例インタビュー
岐阜県にて放課後等デイサービスを運営されている
アクシオン株式会社様にお話しを伺いました。
スムーズな開業と開業当初のニーズとのギャップ、
指導員の採用に至るまで、ビリーブ様の軌跡を深く掘り下げてお話頂きました!
>>【前編】保護者様と話し合いながらニーズを汲み取り、作り上げたビリーブスタイル【アクシオン株式会社様】
インタビュアー(以下:イ)では次に、立ち上げ時のお話をお聞きしたいです。
きっかけはなんだったんでしょうか。
宮川様(以下:宮川)自分は福祉の業界で17年働いてきたんですが、その中で障がい者施設との関わりもあって、支援学校を卒業した方の受け入れに携わっていました。
障がいのあるお子さんのことはその時に聞いたんですが、詳しくはあまり知る機会は無くて…そのあと別の機会に知ったという感じです。
その時に感じたのが、老人介護の場合は、変な話、ご家族のニーズはあまりないんですよね。
なんだろう…ぶっちゃけ預かってもらうだけでありがたいっていうスタンスがどこかにあるんですよ。
でも、障がいのある方の場合は、うちの大事な息子や娘がって気持ちがすごく強いので、保護者様のニーズとかそういった関わり方が全然違う。
受け入れる側もメンタル的に結構キツイ部分も多くて、大変な業界だなと思いました。
もちろん、老人介護でも職員は人生の最期をどう終わらせるかっていう終末って考えでやっているので、そんなに無理させずにって考えの職員もいれば、わざわざ筋トレまでして筋力をつけた方がいいと考える職員もいる。
一時期はデイサービスの中でパワーリハビリとかが流行ったりもしましたけど、そこまで必要かという思いもあったり…。
やっぱり最期は安らかに、ご家族の皆さんが施設にいらっしゃって、父母が幸せに最期を迎えることができました、ありがとうございますっていうそういったお付き合いの方が多かったですね。
イ)どうしても一連の流れにはなってしまいますよね…。
宮川)僕も若い頃は仕事として受け入れていましたけど、自分も50歳に近づいてきて人生の折り返しを過ぎたわけで、考え方にも少し変化が出てきたんですよね。
お年寄りの方はどうしても自分より先に亡くなってしまうけれど、お子さんとか若い子を見ていると、自分より年下の子に一生懸命、例えば療育をして関われれば、自分が今までに培ってきたことだったりを伝える事ができるんじゃないのかなって。
そういった思いが歳と共に強くなってきました。
自分は福祉の業界が長いので、やはり福祉で仕事をしたいという気持ちが強くあって、次の世代に繋げられる、残せるような福祉の仕事ってなると放課後デイサービスになるのかな、とザックリとですが思いました。
そうは思いつつまだその時は、自分が老人介護が長かったこともあって、児童福祉はやらないのかな、みたいなのはあって、そんなに深くは考えてなかったんです。
でも、人の縁でたまたま関わることになって、その上で千住社長(株式会社サーバント様)とお会いすることがあって、障がい児成長支援協会さんとのご縁ができて…。
自分の中でなんとかできるんじゃないか、とりあえずやってみようかなって思ったんですよね。
イ)この仕事だったら次の世代に自分が今までに培ってきたことを残せるかもしれない、ということですね。
宮川)そうですね。
あとは、保護者様との付き合いの中で関わりをしっかり持てるところもいいですね。
もちろんクレームも頂きますけど、保護者様から連絡帳をもらうとすごく励みになります。
保護者様から良くも悪くも気持ちが返ってくると言うのは、仕事にやりがいを感じますね。
自分が施設を立ち上げた当初はふわっとした気持ちだったんですけど、保護者様からちゃんと気持ちが返ってくるので、良いこともすぐ返ってくるし…そういう仕事をしたかったなっていうのがあって。
老人介護の方はあまり返ってこないですからね(笑)
変な話し、調子悪くなったら電話してとか、デイサービスも送迎の際にちょっと交流があるくらいで…そんなに深く関わりがなかったですからね。
イ)実際、職員さんもやりがいがありますよね。
もちろんその分大変なことも多いと思いますが。
宮川)そうですね。
でもやっぱり子ども達は、うちなんかでもここに来てから目に見えて成長していますからね。
イ)それはうれしいですね!
宮川)本当にうれしい。
通いだしたばかりの頃は多動だったり、すぐ機嫌を悪くしてしまったり、うちに馴染めるかなって心配だった子でも、今は全然ですからね。
まずすぐキレなくなった。
やんちゃは言うけど数は減ったし、逆に今は甘えすぎなくらい馴染んでくれていて(笑)
イ)(笑)何歳くらいの子なんですか?
宮川)その子は小学校1年生。
見学に来た時は幼稚園の年長さんで、この子4月から受け入れるんだよな、大丈夫かなってちょっと心配だったんですけど。
イ)では2ヶ月、3ヶ月くらいでってことですよね?
宮川)そうそう、そうです。2月、3月に通い出した子が今ではだいぶ成長して…。
職員間でも「変わったよねー」って話しが出るくらい。
お母さんも最初は元気がなさそうな感じだったんですけど、連絡帳のやり取りをしてると…まだ少しうしろ向きなところもあるけど、最初に比べるとだいぶ前向きなことも書いてくれるようになりました。
お子さんを褒めるってことについてすごく意識が弱い人だったんですけど、褒めるようにしていますとか、できましたとか、お母さん自身の文章から時々見られるようになったので、それもお子さんの成長に繋がってるんですよね。
家庭にいる時間の方がやっぱり長いし、家庭での生活って大きいですよ。
やっぱり保護者様の支援をしてくと結果的に家での生活がよくなってお子さんも生活しやすくなる。
ビリーブは優しくしてくれるから、ここは平和だけども、家に帰るとまた怒られる生活が待ってるって、それはやっぱりお子さんにとって辛いので…。
保護者様も怒りたくて怒ってるわけではないんですよね。
「うちの子はあれもできない、これもできない」って、どうしてもそっちばかりに目がいってしまう。
健常者のご兄弟がいるとなおさら、「お兄ちゃんはできるのにあんたはできない」ってなってしまいますよね。
でも、今はそうじゃないんですよって。できないことは探せばいくらでも出てきてしまう。
そうではなくて、今までできなかったことが一個でもできるようになったらそれをまず褒めていきましょうね、と。
イ)少しの子どもの変化だったり成長だったりに気づくことで気持ちも穏やかになりますよね。
宮川)そうなんですよね。
幼稚園から小学校にあがる時ってやっぱり人間自身が成長するんですよ。
本人がぐっと伸びる時期に、たまたまビリーブに通ってくれていて、僕らがついていた。
そういったこともあって、「ビリーブのおかげ」と保護者様が好意的に見てくれるところもあると思うんですけどね。
でもそれによって保護者様自身が「あ、うちの子も成長してるんだな」って感じてくれて、焦りとか先の見えない不安から解放されれば、子供さんに辛くあたったりすることも減ると思うし、ちょっとでも褒めるようになってくれればいいかなという感じです。
イ)そういったレスパイトケアの面もあるということですね。
宮川)そうそう、少しですけどね。
イ)では次に施設立ち上げの際にうまくいったことだったり、大変だったことはありますか?
宮川)うまくいったのは…うちは8月2日に登記をして、事業認可を10月にもらって11月開設なので…。
イ)割とスムーズですね。
宮川)そうですね。
この物件もお盆明けに借りて、9月1日から工事にかかって…。
障がい児成長支援協会の皆さんの助けが大きかったですね。
協会の皆さんのご尽力のおかげで、わずか3ヶ月で法人設立から事業開始できたことがうまく行ったことですね。
逆に大変だったことは、ハード面が順調にいきすぎた分、3ヶ月で職員の研修や、児発管の研修、イベントなんかをやらなくてはいけなかった。
研修の日程組みとかも大変でしたね。
イ)申請とかも協会の方々に助けて頂いたんですか?
宮川)申請関係は全部、労務士の先生に丸投げでした。
自分でできないこともなかったけど…他にやらなくてはいけないことがたくさんあったので、そこは助けて頂きました。
法人設立と指定申請は全部やって頂きましたね。
イ)認可を受けるまでは周りの方に助けられて、施設が立ち上がったというわけですね。
宮川)そうです。
本当にそのあたりは…助けて頂きましたね。
僕はお金の準備をしたり、物件を契約して、工事の打ち合わせをしたりとかしてましたね。
僕も実際に研修に行ったし、もちろん講演会の準備をしてチラシを作って、近郊の保育園や小学校、中学校…何十校行ったんだろう…それこそ一週間じゃ回り切れないぐらいを職員で手分けして配ってましたね。
もともと僕も事務員歴が長いので、手続き関係がやれないこともないけど…前みたいに事務専門というわけにはいかないからね(笑)
イ)任せるとこは任せてって分業できたことがスムーズな開業に繋がったのですね。
立ち上がってからどうですか。
宮川)立ち上げた当初は自分が思っていたニーズと若干ズレがあったので、お客様が増えなかったですね。
やはり3月、4月前後と7月前はニーズが高まってくる業界ではあるみたいなので、今思えば11月立ち上げが本当によかったのかどうかは若干思うところはあります。
ただ、その11月、12月で来てくださったお客様がビリーブにとって大切なお客様になった方もたくさんみえるので、それはその時に立ち上げてなかったら出会えてなかったかもしれないと思うとよかったなとは思います。
まぁ今後もし2つ目の施設を立ち上げるってなったら3月立ち上げか、5月立ち上げにするかな(笑)
イ)でも実際に1施設目が3月に立ち上がっていたら職員さんたちも大変だったかもしれませんしね。
準備期間があったと思ったらよかったのかもしれません(笑)
宮川)そうですね。
立ち上げの時バタバタしていた分、立ち上げてからは少し準備期間ができてよかったかもしれない。
イ)では次に、ビジョンや目的だったり、実際の施設の活動内容の部分を聞かせてください。
宮川)これはいつも面談とか見学にいらっしゃった保護者様にも言っていますが、「親亡き後も自立した生活ができる社会性を身につける」の一言につきますね。
協会でよく言っている話ですけれども、やっぱり保護者様が最後まで面倒見れるわけじゃなくて、普通に考えれば保護者様の方が先に亡くなる。
じゃあそうなった時に、保護者様がいないと生活できないお子さんをどこで自立させるかって、やっぱり今のタイミングだと思うんですよね。
それは勉強ができる方がいい場合もあるし、勉強以外でも大事なものってあるよねっていう。
その辺りは保護者様と相談しながら…勉強がある程度できる子は一般就労でも就労支援でも目指していくやり方はあるし、その辺が難しいって方は、高卒の学歴が欲しいのか、そうじゃなくて支援学校を目指すのかっていう進路も含めて。
常に子どもたちに社会の居場所を作ってあげるという考えは頭にあります。
人間てお金も大事なんだけど、やっぱり毎日誰かから自分を必要とされていないとね、そうゆうのが生きがいになりますから。
そのために何ができるか。
イ)その通りですね。居場所がある、人に必要とされているだけで満たされますよね。
宮川)あとはやっぱり宿題もそうだけど、決められたことはちゃんとやらなければいけない。
その辺りはしっかりと保護者様にも理解してもらわないといけませんね。
例えば、保護者様が社会性を無視して、とりあえず高校に行かせるんだってなると、確かに高校には行けると思うけど、卒業後に働くとしたら、どうするって話になりますよね。
普通の子だったらパッと働けますけど。
障がいのあるお子さんの親っていうのは、早めに進路の腹をくくらなくちゃいけないんですよね。
その辺り詳しい保護者様ばかりではもちろんないので…。
僕はこんな人間なので、よく保護者様と話すんですよね。
そういった時に、うちではこうもっていきたいと考えていますが、お母さんはどうですか?と意見をすり合わせたりってのはありますね。
イ)なるほど。子どもたちの未来を見据えて相談にのったり、アドバイスしたりされているのですね。
実際の活動の内容はどうですか?
宮川)4月から来てくれた保育士の先生がすごく優秀な方で。
僕らあんまりそっちは得意じゃなかったので、教えてもらいながら、ちょっとでも覚えていかないといけないなと思っています。
今年の夏休みもうちのスタッフと一緒に計画してくれていて、かなり色んなところに行くみたいな話が出てます。
イ)へー!課外活動ですね!
宮川)そうです。工場見学だとか、警察署だったりとか…。
イ)普通にすごすより充実した夏休みがすごせそうですね!
宮川)3日に1回くらいありますよ(笑)
イ)めちゃくちゃいいじゃないですか!(笑)
宮川)毎週火曜日と金曜日に課外活動入れてますね。夏休みは長いので、出ていかないと大変だから。
ただ、申し込みを受け付けてみたら、課外活動の日しか利用しないっていう人もでてきたので…。
その辺りは少し考えないとなって感じですね。
初めての利用が外出ってなると、車の中で何か起きても困りますからね。
イ)それは…お互い良いことないかもしれないですね。
宮川)施設での活動の様子を見て、例えば男の子と仲が良いのか、女の子と仲が良いのかとか…そういったのも含めて席順決めたりとかもありますからね。
イ)なるほど、そういったこともあるんですね。
イ)課外活動とかプログラム的なものは、保育士の方に組んでもらってるんでしょうか。
宮川)僕はその辺あまり得意じゃないので、できる方に組んでもらっています。
今年は本当にその方がみえてからは厚みができたのかなって思ってるので。
僕らもやっぱり横で見ながら勉強させてもらってるって感じかな。
イ)宮川さんは保護者様との契約のやりとりだったりとか?
宮川)いや、僕は最近もういないほうが良さそう(笑)
契約は管理者なのでやりますけどね。
僕が契約の手続きをやって、その後に児発管が聞き取りをするんですが、僕がいなくなると急に楽しそうに話し出すっていうね(笑)
だから僕がやらない方がいいかなっていうのを感じますね、最近(笑)
イ)(笑)でもそれは良い傾向…って言ったら失礼かもしれないですけど、良いことですよね。
宮川)来年は僕もう管理者譲ってしまうので!指導員にはなるけど。
今の児発管が管理者になって、指導員の方が児発管になる。
そうすると契約は僕じゃなくて女性2人になるのでその方が良いかなっていう。
来年1人保育士さん採用内定してて、今年その方の児発管研修も受理してもらえたので。
なのでうちは今の保育士の方と、その新しく来る方の2人が児発管として入ってもらうことになる。
イ)そうなると指導員さんにはかなり恵まれていらっしゃいますね。
宮川)そうですね。保育士さんをたくさん採らないと療育にならないですからね。
他施設さんも保育士さん4人確保してて、保育所やるって言ってたしね。
相談支援じゃなくて児童発達支援やるって言ったらやめといた方がいいって話も聞いたし…。
イ)多機能ではなく?
宮川)よくわからないけど、そんなこと言ってましたね。
あんまりニーズがないのかもしれないですね。
保育士さんたくさんいるから、どうやって採用したかを聞いたら、求人しても来ないから人づてで探すしかないって。
うちも保育士さん確保が大変ですね。
イ)でも保育士さんの中でも保育園はあれだけど…っていう潜在保育士がいるって話も聞きますよね。
宮川)そこが問題で、保育士さんは放課後等デイサービスの求人見ても興味ない方が多いですからね。
保育園だとか、そういうところの求人しか見ないので。
今うちで働いてもらってる保育士さんとか知り合いの方なら、直接、こういうところだよって言えるけど、紙媒体とかだと保育園じゃないからってことでまず見てもらえない。
保育士さんってやっぱり抱っこできるような小さい子が好きって人が多いですからね。
その辺りも含めて、保育士さんが目指す職場じゃないのかなって。
労働環境は多分、放課後等デイサービスは良いんだけど、そこじゃないらしいので。
わかってもらうためには誰か人を介して、間接的でも良いんだけど、誰かの紹介じゃないと厳しいっていうのが現状ですね。
イ)最後にHUGのお話を聞かせてください。
まずは導入の経緯をお願いします。
宮川)障がい児成長支援協会さんからの紹介ですね。
イ)実際HUGを使ってみてどうでしたか?
宮川)自分がHUGをパッと見て良いなと思ったのは、クラウドで、ブラウザで動いているので、ハードを選ばないっていうのと、ローカルにデータを置かないからシステム的には今時かなと僕は思うので、そういうところは非常に気に入りました。
だからタブレットであってもPCであっても場所を選ばないし、データがローカルにないからハードが壊れても安心だし、
職員さんのスキルもバラバラだから何かされて壊れても困っちゃうしね。
ブラウザベースだし、良くも悪くも制限があるから…開発面苦労されてるなって思ったし、もう少し機能あっても良いかなって感じだったけど(笑)
イ)たくさんご要望も頂きまして…(笑)
宮川)そうだったね(笑)でも、見た目が優しい感じなのもよかったですね。
ローカルにインストールして使うやつって結構デザインがやり過ぎになってコテコテになったりするんだけど、シンプルでわかりやすいデザインが気に入ってます。
今、世の中の流れがブラウザベースで動かして、バックアップでクラウド使ってないところなんてないと思うし。
なので僕はそういうところが良いなーって。
あとは職員さんがどう思うかっていう部分だけで。
どう管理していこうかなって考えていた頃に、たまたま山北さん(弊社 HUG事業部部長)と強度行動障害支援者養成研修基礎研修・実践研修で会う機会があって話し倒しましたね。
なんか、そういう縁があったとは思いますよ(笑)
機能のアップデートも行ってくれてるし、だんだん使いやすくなってますしね。
放デイを実際にやってないとわからない細かい所とかも気づいてアップデートしてくれるのはありがたいかな。
イ)そう言って頂けてとてもうれしいです!
今後も実際に現場で使って頂きながら気づいたことがありましたら、ご意見頂けるとありがたいです。
本日はありがとうございました!
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