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2020/06/08
放課後等デイサービス事例インタビュー
大分県別府市にて放課後等デイサービスを運営されている株式会社ユナイテッドサークル様にお話を伺いました。
前職から放課後等デイサービスに携わっている川村社長。「放課後等デイサービス HAMMOCK(ハンモック))」を運営され、今年度は新たに「放課後等デイサービス ADVANCE(アドバンス)」を開所されます。
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イ)HAMMOCK(ハンモック)は昨年の4月からの開所ですが、苦労されたことはありますか?
川村)利用者様の獲得ですね。というのも、HAMMOCK(ハンモック)は開所当初、利用できる種別を「重症心身障害児」に限定していたんです。
ですが、利用予定の子どもの受給者証を見ると、医療ケアは必要ですが重度障がいであるとは書いてないことが開業してから発覚して…。
開業申請が下りたその週のうちにあわてて種別を変更していただき、なんとかそのお子さんをお預かりできるようになったんですけど、スタートは思い切りつまづきました。
イ)開所からしばらくはとても大変だったんですね。「重症心身障害児のみ」という制限を外してからは利用者やお問い合わせも増えましたか?
川村)はい、制限を外したので、施設に来られる子どもは受け入れるようになりました。
またスタッフは私が前職で働いていた放課後等デイサービスから、退職して新しい施設を開業すると聞いて施設を移った方もいらっしゃいます。
私自身、本当に、人に恵まれていると思います。
勧誘などはなにもしなかったんですけど、新しい施設の方で働きたいと言ってくださった職員も何人もいらっしゃって、開所からスタッフに困るということはありませんでした。
イ)以前勤めていらっしゃった施設から、今の施設へ移ったというのは、施設による違いが大きいのでしょうか?
川村)おそらく、それも少なからず関わっていると思います。前職で携わっていた施設では、比較的活発なお子さまが多かったので、現在のHAMMOCK(ハンモック)のような落ち着いた空間を作りたいと考えていました。
私が前職でスタッフにその話をしていたこともあって、そういったビジョンに共感していただいたことも大きいですね。
イ)いつごろから開業を考えていましたか?
川村)前職の福祉事業に努めていたときに放課後等デイサービスという事業を知って、施設の開業を働きかけたんです。ただ、そこではHAMMOCK(ハンモック)のようなサービスを中心とした施設の開業はなかなかできませんでした。
なので、一昨年の退職するタイミングで、自分で開業しようと決意しました。
イ)なるほど。ちなみに、大分県別府市でやりたいという想いも強かったのでしょうか?
川村)そうですね。私自身、生まれも育ちも別府というのもあります。
あとは、別府市内に発達障がいをもっている子どもが多いというのも理由ですね。
太陽の家や、全国に2施設しかない重度障がい者センターのうちの1つも別府にありますし、日常生活で車いすを利用されている方も多いんです。
なので、ニーズはありましたし、やりたいことを地元でやってみようという考えは強くありました。
イ)発達障がいをもっているお子さまが多いというお話でしたが、HAMMOCK(ハンモック)を開所される時点で別府市内にはいくつぐらいの支援施設がありましたか?
川村)2019年の4月で20件くらい、前職で放課後等デイサービスを立ち上げた時点では5件ぐらいでした。
年間3~4件ペースで増えています。
なかには閉設してしまったところもあるんですけど、別府市という大きくはない地域の中で20件、おそらくこれからも増えていくと思います。
イ)それはたしかに多いですね。
川村)はい。「発達障がい」の認識がだいぶ広がったというのが大きいですね。
「学童保育などで遊べない子どもたちも、HAMMOCK(ハンモック)のような施設を利用して楽しめばいいんだ」と思っていただけるようになってきていることもあると思います。
施設はどんどん増えてきているので、いずれは「保護者の方やお子さまが利用する施設を選択する」というかたちに変わっていきます。
そのときに、HAMMOCK(ハンモック)やADVANCE(アドバンス)が選んでいただけるように、質を大切にしていくことを心掛けていきたいです。
イ)重症心身障害児のお子さまとそうでないお子さまが一緒にいるとき、心がけていることはありますか?
川村)まず、HAMMOCK(ハンモック)は一軒家そのものを施設として開業しているので、重症心身障害児の子どもとそうでない子どもが過ごすスペースを1階と2階で分けています。
重症心身障害児の子やゆっくり過ごしたい子は1階、階段を登れる子や比較的活発に活動できる子は2階で、といった具合です。
ただ、重症心身障害児の子どもたちがいるから騒がしくしてはいけないというわけではありませんが、騒がしくすると重症心身障害児の子どもたちにはストレスになってしまいます。
そこで、HAMMOCK(ハンモック)とADVANCE(アドバンス)というかたちで施設を分けて、子どもたち全員が満足できるようにしようと考えています。
ゆっくり過ごしたい子どもはHAMMOCK(ハンモック)を、活発に活動したい子どもたちはADVANCE(アドバンス)を、というかたちです。
ふたつの施設は徒歩1分圏内にありますので、その日の気分やペースにあわせて利用する施設を変えられるのが立地の強みですね。
イ)ADVANCE(アドバンス)はこれから開所される施設ですが、すでに利用予定の方はいらっしゃいますか?
川村)はい。ハンモックの利用者様に加え、新規で利用したいと希望していただいている方もいらっしゃいます。
今のところ、想定人数は埋まりそうです。
(後編に続く)
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